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【ナルザラント柔盾活用術】 - ゆとシート for SW2.5

【ナルザラント柔盾活用術】

(ウルシラ地方)
入門条件
50名誉点

 アルフレイム大陸最北東にある地方ザムサスカに、かつて存在していたナルザラント公国で発祥した戦闘術です。
北の“奈落アビス”に対抗し、その脅威に立ち向かうための国家のひとつだったナルザラント公国では、防御を重視した戦闘法が研鑽され、練り上げられていきました。
 その結果、確立されたのが、この【ナルザラント柔盾活用術】です。
 盾を使用することを前提としており、受け流すこと、受け止めること、そして押し返すことがその戦闘法の根幹を成しています。自らは決して体幹を崩すことなく、盾で受け流し、受け止める際に、相手の体勢を崩す。そうして防備が疎かになった敵に対し、強力な反撃を叩き込むのです。
 ナルザラントの戦士たちは、大きく三つの部隊に分かれていたとされています。ひとつは、大型の盾を装備しつつ、身軽さを失わないバランスのよい甲冑を身につけた、大盾防壁隊たいじゅんぼうへきたい。ひとつは、小型の盾に軽装の鎧を身につけ、素早さを活かして反撃する小盾奇襲隊しょうじゅんきしゅうたい。そして、このふたつの部隊によって体勢を崩された敵を集中的に攻撃して粉砕する、重装撃滅隊です。
 ナルザラント柔盾活用術は、この三つの部隊の戦い方をまとめたものです。
 しかし、堅い守りを誇ったナルザラント公国軍も、〈大破局〉に伴う“奈落の壁”の損壊、そしてそこから大量に来襲した魔神との戦いの果てに壊滅。ナルザラント公国は〈大破局〉終結を待つことなく滅亡してしまいました。けれど、彼らの奮闘ぶりがザムサスカ地方以南の領域に防備を固める時間を与え、被害の拡大を食い止める原因ともなったのです。
 そんなナルザラント戦士たちの魂と技術は生き残り、ザムサスカ地方の南、ウルシラ地方ではその戦闘法を継承した戦士や騎士をよく見かけます。
 仲間との連係も得意とするため、この流派は冒険者の間でも人気となり、アルフレイム大陸東部を中心に広まり、いまでは西部を含めた全土で使い手の姿を見ることができます。そのため、主要な都市ではこの流派に入門し、身につけることは難しくありません。

流派装備

 この流派は盾を自在に扱うことを神髄としています。しかし、世に出回っている盾は、この流派の求める自在性を前提には設計されておらず、流派秘伝の動きを再現するには難があります。
 そのため、この流派は盾を改造強化する技術を継承しています。「フレックスグリップ強化」は、〈盾〉を強化する術です。この強化を施された〈盾〉は、〈フレックスグリップ強化○○〉(○○は本来の名称)と呼ばれます。

名称 知名度 カテゴリ 価格 概要
〈フレックスグリップ〉 12 防具の強化 250/500/1,000/1,500 【ナルザラント柔盾活用術】秘伝を使用可能にする。必要筋力+1(⇒BM83)

秘伝

《パリィ&ブレイク》

必要名誉点
20
タイプ
独自宣言型
前提
なし
限定条件
〈フレックスグリップ強化盾〉
使用
適用
10秒(1ラウンド)持続
リスク
なし
概要
近接攻撃に対する回避成功で、攻撃者の回避力-1(-2)
効果

 この秘伝は、フレックスグリップ強化を施している〈盾〉を構えているときのみ宣言できます。
〈盾〉を眼前に構え、相手の攻撃に合わせて勢い良く払うことで、攻撃者の体勢を崩します。
 秘伝宣言者が効果時間中に近接攻撃を受けた場合、その回避力判定の結果によって、攻撃者に対して影響が現れます。これは、秘伝宣言者が最初に受けた近接攻撃に対してのみ発生し、近接攻撃をさらに受けたとしても、それらは関与しません。
 当該の回避力判定において、秘伝宣言者の回避力判定の達成値を攻撃者の命中力判定の達成値と比べあい、それが同じか、より高かった場合、攻撃者は攻撃に失敗するのみならず、バランスを崩され、自分が行う回避力判定にペナルティ修正を受けるようになります。この悪影響は、攻撃者自身が次の自身の手番を迎えるまでのあらゆる回避力判定に現れます。
 攻撃者の回避力判定に受けるペナルティ修正は、通常「-1」ですが、秘伝使用者の回避力判定の達成値が、攻撃者の命中力判定のそれより4以上高い結果だった場合、「-2」となります。
 当該の判定で、攻撃者の命中力判定の達成値が高かった場合は、攻撃は通常通りに命中し、攻撃者は何の悪影響も被りません。1回の手番に複数の宣言を行えるキャラクターでも、この秘伝を1手番に複数回宣言することはできません。また、秘伝《ストップ&スタッガー》と同時に宣言することもできません。

《ストップ&スタッガー》

必要名誉点
20
タイプ
独自宣言型
前提
なし
限定条件
〈フレックスグリップ強化盾〉
使用
適用
10秒(1ラウンド)持続
リスク
なし
概要
近接攻撃による適用ダメージが低ければ、攻撃者の回避力-1(-2)
効果

 この秘伝は、フレックスグリップ強化を施している〈盾〉を構えているときのみ宣言できます。
〈盾〉を眼前に押し出し、相手の攻撃を押しとどめ、押し返すことで攻撃者の体勢を崩します。
 秘伝宣言者が効果時間中に近接攻撃によって物理ダメージ、魔法ダメージを受ける状況になったとき、攻撃者に影響が現れます。これは、秘伝宣言者が最初に近接攻撃でダメージを受ける機会に対してのみ発生し、そうした機会がさらにあったとしても、それらは関与しません。
 ここで定義される近接攻撃によってダメージを受ける機会とは、「近接攻撃の対象にされて回避力判定を行った」ときと「戦闘特技《かばう》やそれと同種の秘伝などの効果で、他キャラクターに対して行われた近接攻撃ダメージを肩代わりした」ときの2つを意味します。
 この場合において、秘伝宣言者がダメージを受け、その適用ダメージ量が秘伝宣言者の生命抵抗力(冒険者レベル+生命力ボーナス)未満であった場合、攻撃者はバランスを崩され、自分が行う回避力判定に「-1」のペナルティ修正を受けるようになります。この悪影響は、攻撃者自身が次の自身の手番を迎えるまでのあらゆる回避力判定に現れます。このケースで、秘伝宣言者への適用ダメージが「0」であるなら、ペナルティ修正は「-2」となります。
 秘伝宣言者が受けた適用ダメージが、その生命抵抗力以上であった場合と、秘伝宣言者が近接攻撃に対する回避力判定に成功してしまった場合には、この攻撃者に対する悪影響は発生しません。
 1回の手番に複数の宣言を行えるキャラクターでも、この秘伝を1手番に複数回宣言することはできません。また、秘伝《バリィ&ブレイク》と同時に宣言することもできません。

《プランドリポスト》

必要名誉点
30
タイプ
常時型
前提
《パリィ&ブレイク》 or 《ストップ&スタッガー》
限定条件
なし
使用
適用
1回の近接攻撃
リスク
概要
秘伝効果で体勢の崩れている敵にダメージ+4
効果

 自分の防御によって体勢を崩した敵を、隙を逃さず攻撃します。
《パリィ&ブレイク》または《ストップ&スタッガー》で体勢を崩した(回避力判定にペナルティ修正を受けている状態の)相手に対して、その秘伝使用者自身が近接攻撃を行うとき、自動的に与えるダメージが「+4」点されます。この効果は、秘伝使用者がその手番に最初に行う近接攻撃1回のみに適用されます(最初の命中力判定に失敗したら、もうその手番には効果は現れません)。
 このダメージ上昇効果を得るときには、フレックスグリップ強化を施している〈盾〉を装備している必要はありません。

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