【ハールーン魔精解放術式】
(ウルシラ地方)- 入門条件
- 50名誉点
ハールーン魔術研究王国では、古来よりさまざまに魔法の研究が行われています。その中でも真語魔法や操霊魔法、深智魔法(⇒MA86)は、歴史が古く、多くの資料が残されており、もっとも人気のある研究対象です。
資料は多くあるものの、それらは、個々に特異的であり、統一性には欠けています。古代魔法文明は、知識が一部の貴族や魔法王に偏在しており、しかも、そうした一部が魔法の力で覇権を争っていた時代です。魔法の使い手たちは、各々が出し抜きあいを指向し、知識を交流させることには消極的で、互換性のない勝手な「文法」で自分の知識と技術を書き残しました。そのときにも、盗み見や不正な複写によって知識が流出することを恐れて、暗号や特殊文字などが使われたものが少なくありません。魔法文明とその主流であった真語魔法と操霊魔法、深智魔法は、通り一遍の知識や推理力では真相にたどり着けない、実に研究しがいのあるものとなっています。
こうした混沌とした資料のありようは、研究が細かく専門化していく状況を招き、今の研究者たちの間ですら、流派や派閥の発生に繋がっています。
【魔精解放術式】は、そうして生まれた研究家の一派です。彼らが研究している魔法技術は、マナの流れに関するものです。多くの魔法実践が安全を求めて、マナをしっかり制御し、安定的に魔法行使をできる方向に向かっているのに対し、彼らが研究し、解明を進めているものは、あえてマナの制御を緩めて濃淡を作り、その密度の高い部分を利用して魔法の成力や強制性を高めようというものです。濃淡のピークの進定に失敗して魔法が不発になる恐れや、逆に高いところを取り過ぎて暴発したりする危険もありますが、魔法王たちが権を争っていた時代には、こうしたリスクを顧みない、過激な術式も見逃せない数で存在していました。
【魔精解放術式】は、この不安定なマナの流れを用いて魔法を行使するために、〈魔精の発動体〉を開発しました。それによって、今までにない強度での魔法行使が可能になっています。ですが、その技法は不安定であり、低くない確率で魔法が不発となるケースを発生させます。また、一部の技法は、マナを圧縮しすぎて発動体の毀損を免れないような完成度であり、まだまだ改善しなければならない部分を残しています。
そして今、【魔精解放術式】は、今の強度や効果を維持しつつ、安定度を高めていこうとする者と、不安定こそが技術の源流であり、それを恐れずさらにマナの密度の高い部分を作り出していくべきだと主張する者とで、分派しかねない状況になっています。内部対立を抱えながら、この一派は真語魔法と操霊魔法、深智魔法の研究を進めています。
流派装備
【ハールーン魔精解放術式】を象徴するアイテムが〈魔精の発動体〉です。この流派の秘伝を作り上げる根幹となったのが、この特殊な発動体です。
一部の秘伝ではこのアイテムの破壊を招きます。〈魔精の発動体〉は名誉アイテムですが、名誉点を支払って獲得したものである場合、破壊しても不名誉点を獲得することはありません。
しかし、「フリー」獲得の場合、不名誉点の免除は冒険中1回だけです。2回目以降は不名誉点の獲得を招きます(⇒BM72)。〈魔精の発動体〉(⇒US34)
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈魔精の発動体〉 | 12 | 冒険者技能用アイテム | 2,000 +20名誉点 | 【ハールーン魔精解放術式】秘伝に使用される〈魔法の発動体〉 |
秘伝
《フォーシブルキャスト》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈魔精の発動体〉、〈魔晶石〉
- 使用
- ソーサラー技能orコンジャラー技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 「抵抗:消滅」を「抵抗:短縮」で行使、〈魔晶石〉を消費
- 効果
この秘伝は、真語魔法、操霊魔法、深智魔法のいずれかで、「時間:一瞬」以外でかつ「対象:1体(1体全、1体+1体を含むが、1体Xを含まない)」で「抵抗:消滅」の魔法を行使するときにのみ宣言できます。 魔法は「抵抗:短縮」として行使されます。
この秘伝のもとで魔法を行使するときには、発動体として〈魔精の発動体〉を使わなければなりません。そして、その魔法の「レベル」に等しい点数のMPを持つ〈魔晶石〉を消費しなければなりません(たとえば【ブラント・ウェポン】なら「1」点の〈魔晶石〉を消費します。【イレイス・マジック】なら「9」点のものです)。この〈魔晶石〉の消費は、一般的な〈魔晶石〉によるMP消費代替使用に準じ、同時に他の〈魔晶石〉をMP代替の目的に使用することはできません。しかし、必要な点数を超えるMPを持つ〈魔晶石〉であるなら、余剰分を魔法行使のMP代替に充てられます。このとき余剰分が魔法の消費MPを超えていても、〈魔晶石〉は失われます。
この秘伝を宣言した魔法行使は、あらゆる魔法拡大の効果を受けることができません。
《フェロシャスキャストⅠ》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《バイオレントキャストⅠ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- なし
- 使用
- ソーサラー技能orコンジャラー技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 威力+10、魔法行使判定+2も出目4以下で自動失敗、〈魔法の発動体〉破壊
- 効果
これらの秘伝は、基礎特技と同様、純粋にダメージのみを与えるタイプの魔法を行使するときに宣言できます。さらに、行使する魔法の体系が、真語魔法、操霊魔法、深智魔法のいずれかに限られます。
秘伝を宣言した魔法において、《フェロシャスキャストⅠ》では威力が+10《~Ⅱ》では威力が+20されます。
基礎特技同様に、魔法行使判定にボーナス修正(《~Ⅰ》なら+2、《~Ⅱ》なら+3)も得ますが、出目が「4」以下の場合、自動失敗となります(出目が「2」以外では経験点を得ることはできません)。
《~Ⅰ》では、魔法行使時に使用した〈魔法の発動体〉が、魔法行使判定からそれに対する抵抗、ダメージ決定などの一連の処理を終えた直後に破壊されます。《~Ⅱ》では、流派アイテムである〈魔精の発動体〉を発動体として魔法行使に使用しなければならず、かつ、それが破壊されます。
《フェロシャスキャストⅡ》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《バイオレントキャストⅡ》変化型
- 前提
- 《フェロシャスキャストⅠ》
- 限定条件
- 〈魔精の発動体〉
- 使用
- ソーサラー技能orコンジャラー技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 威力+20、魔法行使判定+3も出目4以下で自動失敗、〈魔精の発動体〉破壊
- 効果
これらの秘伝は、基礎特技と同様、純粋にダメージのみを与えるタイプの魔法を行使するときに宣言できます。さらに、行使する魔法の体系が、真語魔法、操霊魔法、深智魔法のいずれかに限られます。
秘伝を宣言した魔法において、《フェロシャスキャストⅠ》では威力が+10《~Ⅱ》では威力が+20されます。
基礎特技同様に、魔法行使判定にボーナス修正(《~Ⅰ》なら+2、《~Ⅱ》なら+3)も得ますが、出目が「4」以下の場合、自動失敗となります(出目が「2」以外では経験点を得ることはできません)。
《~Ⅰ》では、魔法行使時に使用した〈魔法の発動体〉が、魔法行使判定からそれに対する抵抗、ダメージ決定などの一連の処理を終えた直後に破壊されます。《~Ⅱ》では、流派アイテムである〈魔精の発動体〉を発動体として魔法行使に使用しなければならず、かつ、それが破壊されます。
《テアリングキャストⅠ》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《クリティカルキャストⅠ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- なし
- 使用
- ソーサラー技能orコンジャラー技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 威力表の出目に+1
- 効果
これらの秘伝は、行使する魔法の体系が、真話魔法、操霊魔法、深智魔法のいずれかのときに限り、宣言できます。
宣言が行われた魔法行使において威力表を使用するとき、その出目が「3~11」の場合、+1されます。1ゾロ(2)、6ゾロ(12)はそのままです。この処理はクリティカル発生後の振り足しにも変わらず適用されます。基礎特技が持つ、クリティカル値-1の効果は発生しません。
《~Ⅱ》においては、その基礎特技同様、対象のクリティカル耐性を無視し、また、抵抗によって半減されるときにもクリティカルが発生するようになります。
《~Ⅱ》では、流派アイテムである〈魔精の発動体〉を発動体として魔法行使に使用しなければなりません。
《テアリングキャストⅡ》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《クリティカルキャストⅡ》変化型
- 前提
- 《テアリングキャストⅠ》
- 限定条件
- 〈魔精の発動体〉
- 使用
- ソーサラー技能orコンジャラー技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 威力表の出目に+1し、クリティカル耐性無視、抵抗半減時でもクリティカル発生
- 効果
これらの秘伝は、行使する魔法の体系が、真話魔法、操霊魔法、深智魔法のいずれかのときに限り、宣言できます。
宣言が行われた魔法行使において威力表を使用するとき、その出目が「3~11」の場合、+1されます。1ゾロ(2)、6ゾロ(12)はそのままです。この処理はクリティカル発生後の振り足しにも変わらず適用されます。基礎特技が持つ、クリティカル値-1の効果は発生しません。
《~Ⅱ》においては、その基礎特技同様、対象のクリティカル耐性を無視し、また、抵抗によって半減されるときにもクリティカルが発生するようになります。
《~Ⅱ》では、流派アイテムである〈魔精の発動体〉を発動体として魔法行使に使用しなければなりません。