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【マカジャハット・プロ・グラップリング】 - ゆとシート for SW2.5

【マカジャハット・プロ・グラップリング】

(ブルライト地方)
入門条件
50名誉点

 ブルライト地方中西部に存在する、“大舞台”マカジャハット王国に存在する格闘技の一大流派です。
 他の流派と大きく異なる点があり、それは、この流派の起源が戦闘ではなく、興行(つまりは見世物)である、ということです。
 マカジャハット王国は、様々な芸術が集まる国であり、そうしたものの中には、芝居や舞、曲芸なども含まれていました。この【マカジャハット・プロ・グラップリング】は、過去の神話や英雄譚などを、闘技場仕立ての舞台(ときには闘技場そのもの)で、肉体を駆使した格闘技の形で演じたことが始まりでした。
 単なる演技ではなく、肉体と肉体がぶつかり合い、鍛え上げた力と技が絡み合う、一見して真剣勝負のようなその舞台は一時熱狂的な人気を誇り、目の肥えたマカジャハットの人々はもちろん、近隣の国からわざわざ来訪して一目見ようと大勢が集まるほどのものとなりました。
 初めこそ英雄物語の再現だったものの、やがて個々の演者に人気が集まり、より物語性よりも真剣勝負の色合いが濃くなっていきました。この頃から、伝統として、いわゆる「飛んだり跳ねたり」よりも、密着距離での隙を突き合う極め技や絞め技の応酬こそが通のものであると好まれるようになり、それを中心に体系が発展していきました。
 そして、最初の公演から50年ばかりを経たいま、その独特の“魅せる格闘技”は冒険者にも人気となり、わざわざ習得する者が現れるほどとなりました。これには、人気の演者が冒険者に転向して成功を収めたこと。並びに冒険者も金払いのいい依頼人(スポンサー)を得るために、派手な活躍をアピールするためだったと考えられます。
「あんなものは見せかけだけの見世物格闘技だ」と批判的に評する声もありますが、その技は冒険における実戦にも転用できるよう研究し改良されて練り上げられたものです。そして現在でも、大勢の客を集める一流の演者は、日々驚くほどのトレーニングと真剣勝負さながらの格闘を演じ続けており、その肉体は驚くほどタフです。この流派とその門下生たちは、十分すぎるほどに強力と言えるでしょう。
 また、蛮族に襲われた村や隊商を救うために【マカジャハツト・プロ・グラップリング】で戦う姿は、被害に遭った人々を勇気づけ、その心を奮い立たせると言われています。ただ戦い、敵を殲滅するだけの闘技ではない――人々の心まで救う戦闘法としても、一部冒険者の中には熱烈な人気を誇る流派となっています。

流派装備

【マカジャハット・プロ・グラップリング】は、組み合ってからの技や、回転の速い拳による打撃を実践的で有効な技術だとみなしており、蹴り技を重視していません。
 その思想を端的に表しているのが、〈ステイブルフィート〉としてこの流派に伝わる足装備です。
 重心の安定と引き換えに蹴り技を封じてしまうこの装備を演者の半数ほどが装備して活用しており、少なくない門下生がそれを真似ています。

名称 知名度 カテゴリ 価格 概要
〈ステイブルフィート〉 12 装飾品:足 1,000
+20名誉点
〈投げ〉の命中力+1、〈キック〉不可

秘伝

《飛びつき蔓絡み(グレープバインホールド)》

必要名誉点
20
タイプ
独自宣言型
前提
なし
限定条件
〈投げ〉
使用
適用
1回の近接攻撃
リスク
なし
概要
ダメージなし、攻撃対象の回避力、防護点-2
効果

 この秘伝は、秘伝使用者が〈投げ〉を行える状態でなければなりません。ただし、この秘伝を宣言した攻撃そのものは〈投げ〉ではありません。〈投げ〉を強化する武器や装飾品の命中力判定へのボーナスは有効です(ダメージを与えない攻撃であるため、威力の変化は意味を持ちません)。
 秘伝使用者の《投げ強化》習得の有無にかかわらず、この秘伝を宣言した攻撃は「対象:1体」です。一方で、複数の部位を持つキャラクター(それが何部位であろうとも)の1つの部位を対象にすることができます。
 相手に飛びかかり、全身を絡めて締め上げます。それによって動きを封じ、防護の弱い部分も顕わにします。
 命中力判定に成功してもダメージはまったく発生させられませんが、続く10秒(1ラウンド)の間、すなわち、次の秘伝使用者の手番開始時まで、相手の回避力判定に-2のペナルティ修正を与え、その防護点を-2点します(最低0)。この攻撃に成功しても、通常の《踏みつけ》によるキック攻撃を追加して与えることはできません(この秘伝専用の追加攻撃用秘伝が次に存在しています)。

《纏い蔓寸隙打ち(アブラプトスラップ)》

必要名誉点
30
タイプ
常時型
前提
《踏みつけ》《飛びつき蔓絡み》
限定条件
〈パンチ〉
使用
グラップラー技能
適用
リスク
概要
《飛びつき蔓絡み》の相手に〈パンチ〉
効果

《飛びつき蔓絡み》で絡みついたまま、ごく小さい動作でのショートパンチを打ち込みます。
 秘伝習得者は、自身が《飛びつき蔓絡み》を命中させているキャラクター(部位)に、〈パンチ〉による攻撃を1回だけ行えます。

《迅雷浴びせ独楽(ワールダンサー)》

必要名誉点
30
タイプ
常時型
前提
《飛び蹴り》
限定条件
〈パンチ〉
使用
グラップラー技能
適用
リスク
概要
10m以上を通常移動で移動直後、2体までに〈パンチ〉
効果

 戦闘特技《飛び蹴り》同様に移動直後の攻撃を行えるようになりますが、この秘伝では、それが自身の身体を回転させながらの拳による打撃になります。この秘伝による攻撃を行うときは《飛び蹴り》による〈キック〉は行えません。逆もまたしかりです。
 秘伝使用者は、移動の種別として通常移動を行い、1エリア(基本戦闘)または10m以上(上級・熟練戦闘)を移動した直後に限り、任意の対象2体までに〈パンチ〉による攻撃を行うことができます。この攻撃には《追加攻撃》は発生しません。
 その後、通常の主動作を行うことが可能です。

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