【ダルボン流下克戦闘術】
(ダグニア地方)- 入門条件
- 50名誉点
ダグニア地方南部から広まった戦闘術です。開祖は獣に育てられたドワーフの男性ダルボンです。
どのような理由でか、赤子のうちにスレズの森に捨てられたダルボンは、アルデンヌフォレストウルフ(⇒PDa120)の群れに拾われ、育てられ、そのまま、他の人族と出会うことなく、森で獣たちと狩猟をして生活していました。ダルボンが猟師たちによって発見されたとき、彼は、狼たちと同じように両手、両脚を使って移動していました。狼たちと異なり、鋭い爪や牙を持っていなかった彼は、粗末な手造りの手槍とも手斧ともつかぬ、石の武器を手にしていたとされます。
「獣と共に狩りをする人族がいる」という噂は徐々に広がり、捜索の果てにダルボンは保護されました。時間はかかりましたが、徐々に言葉も覚え、人族の社会に溶け込んでいきました。それでも、折を見て、ダルボンは里帰りと称し、スレズの森に足を向けては、かつての「家族」たちと過ごしていたとされます。
そんなダルボンの平和な生活が脅かされたのは、150年ほど前のことです。ダグニア地方南部に、蛮族の集団が侵攻してきたのです。故郷の森の危機に、ダルボンは人族社会に対し、積極的な防衛を訴えます。森で迎撃するならば、自分の家族が共闘すると。それによって、自分の家族は縄張りを守ることができ、人族は、より早く、確実に蛮族を撃退できると説得して回ります。出自ゆえに、言葉にも知識にもハンデを負っていたダルボンですが、その本質は決して愚鈍ではないことを彼は示しました。
共闘は成り、人族と獣たちは侵入してきた蛮族たちと対峙することになります。このとき、人族たちはダルボンの獣じみた戦いを目の当たりにし、驚嘆しました。
ダルボンの戦いに感嘆した一部の人族は、ダルボンに乞うてこの戦いの術を教わりました。ダルボン自身は数人の知り合いに動きを見せただけで、また、最後には人族社会を去り、森へ完全に帰ってしまいましたが、弟子を自称した一人が、ダルボンの技を体系立てて秘伝として確立、ダルボンの使っていた粗末な装備も洗練させて流派装備として完成させ、後世に残しました。
ある意味では、流派を真に開いたのは、ダルボンではなく、この弟子と言えるところですが、その名は流派の名にも残されず、伝えられてもいません。
流派装備
【ダルボン流下克戦闘術】には、転倒時でも取り回しのよい2種の片手斧と、頭部を強固に守る装飾品が伝えられています。
なお、アルデンヌフォレストウルフの皮を材料とする〈セフィリアサーコート〉(⇒PDa42)は、この流派にとって忌むべき存在です。他者の使用を咎めたてることこそ行いませんが、入門者がこれを装備することはありません。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈アンプッシュライトシックル〉![]() | 12/15 | 〈アックス〉B | 420 +20名誉点 | 攻撃者が転倒状態にある場合、C値-1 |
〈アンプッシュヘビーシックル〉![]() | 12/15 | 〈アックス〉B | 1,220 +20名誉点 | 攻撃者が転倒状態にある場合、C値-1。装備と装備解除に主動作が必要 |
〈ダルボンヘッドガード〉 | 12/15 | 装飾品:頭 | 1,050 +20名誉点 | 転倒時、防護点+1 |
秘伝
この流派のすべての秘伝は転倒していなければ使えません。キャラクターは、補助動作で地面に伏せる(自身の意思で転倒する)ことが可能です。一つの手番内で「伏せる」「立ち上がる」の両方の動作を行うことはできません。また、盾は装備していてはなりません。
《下克・草伏せ》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 1H近接武器、〈盾〉不可
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 転倒時命中力+3(合計+1)、回避力+1(合計-1)
- 効果
この秘伝の使用を宣言した場合、次の手番開始時まで、命中力判定に+3、回避力判定に+1のボーナス修正を得ます。
ただし、転倒状態では、行動判定へのペナルティ修正-2を受けねばなりません。実質的には、命中力判定で受けるボーナス修正は+1に留まり、回避力判定は-1のペナルティ修正を受けることになります。
《下克・蛙跳びⅠ》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- 《必殺攻撃Ⅰ》
- 限定条件
- 1H近接武器、〈盾〉不可
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- 防護点-4
- 概要
- 転倒時命中力+3(合計+1)、回避力+1(合計-1)、威力表の出目+1、防護点-4
- 効果
この秘伝の使用を宣言した場合、次の手番開始時まで、命中力判定に+3、回避力判定に+1のボーナス修正を得、近接攻撃時の威力表の出目が+1されます。一方で、自身の防護点が4点減少します。この効果で防護点は0未満にはなりません。
転倒状態でのペナルティ修正ゆえに、実質的な命中力判定、回避力判定への修正は、命中力判定が+1のボーナス修正、回避力判定が-1のペナルティ修正となります。
《下克・蛙跳びⅡ》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- 《必殺攻撃Ⅱ》
- 限定条件
- 1H近接武器、〈盾〉不可
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- 防護点-2
- 概要
- 転倒時命中力+3(合計+1)、回避力+1(合計-1)、威力表の出目+1、防護点-2
- 効果
この秘伝の使用を宣言した場合、次の手番開始時まで、命中力判定に+3、回避力判定に+1のボーナス修正を得、近接攻撃時の威力表の出目が+1されます。一方で、自身の防護点が2点減少します。この効果で防護点は0未満にはなりません。
転倒状態でのペナルティ修正ゆえに、実質的な命中力判定、回避力判定への修正は、命中力判定が+1のボーナス修正、回避力判定が-1のペナルティ修正となります。
《下克・蛙跳びⅢ》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- 《必殺攻撃Ⅲ》
- 限定条件
- 1H近接武器、〈盾〉不可
- 使用
- フェンサー技能 or バトルダンサー技能
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 転倒時命中力+3(合計+1)、回避力+1(合計-1)、威力表の出目+1、クリティカル耐性無視
- 効果
この秘伝の使用を宣言した場合、次の手番開始時まで、命中力判定に+3、回避力判定に+1のボーナス修正を得、近接攻撃時の威力表の出目が+1されます。このとき、対象が持つクリティカル無効系やクリティカル値悪化系の能力をすべて無視します。秘伝使用者の防護点の減少はありません。
転倒状態でのペナルティ修正ゆえに、実質的な命中力判定、回避力判定への修正は、命中力判定が+1のボーナス修正、回避力判定が-1のペナルティ修正となります。
《下克・踵砕き》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- 《全力攻撃Ⅰ》
- 限定条件
- 1H近接武器、〈盾〉不可
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 転倒時命中力+3(合計+1)、回避力+1(合計-1)、ダメージ+3
- 効果
この秘伝の使用を宣言した場合、次の手番開始時まで、命中力判定に+3、回避力判定に+1のボーナス修正を得、近接攻撃時のダメージが3点上昇します。
転倒状態でのペナルティ修正ゆえに、実質的な命中力判定、回避力判定への修正は、命中力判定が+1のボーナス修正、回避力判定が-1のペナルティ修正となります。