【アヴァルフ口伝・森択演奏術】
(ウルシラ地方)- 入門条件
- 50名誉点、フェアリーテイマー技能
【アヴァルフ口伝・森択演奏術】は、アヴァルフ妖精諸王国連邦に秘かに伝わる、吟遊詩人たちの技です。「口伝」が示す通り、その技術は文書として記録されることなく、口述によって伝えられています。
この技が口伝であるのは、妖精たちとのかかわりによって成りたっているからです。妖精たちを纏い、その力を借りるのが【森択演奏術】の技法です。そのために必要なのは妖精たちと会話を交わし、心を通じ合わせる能力であり、妖精たちが使わない「文字」の中に、技法の真髄は存在しえないのです。会話を続け、妖精と遊ぶ。それを感覚として覚えていくしか、この流派の秘伝を身につける方法はありません。文字はノイズであり、それに頼っても上達が妨げられこそすれ、助けられることはありません。
【森沢演奏術】は、妖精の力を借りて呪歌や終律の効果や効率を高めていることを特長としています。ですが、そもそもがこの流派は「効果や効率」などというものを求めて始まったわけではありません。森の中で演奏し、歌唱を楽しむ中で妖精たちと戯れるうちに自然に紡がれたものです。
その発祥は、長命種メリアの王国ベスラシアで、森でひとり奏でていた詩人フルティエリの竪琴に妖精たちが聞き惚れ、集まったことに始まったと言われています。妖精使いの力も持っていたフルティエリは、すぐに妖精たちの存在に気づき、彼らの求めを感じ取り、次々に楽曲を重ねました。
楽しく歌い、妖精たちが舞うのを眺める中でフルティエリは、妖精魔法を応用して彼らの助力を演奏に受ける方法があることに気づいたのです。気まぐれな妖精たちのこと、それは安定的なものではありませんでしたが、現状から得られる楽素を増やしたり、終律の効果を上げたり、そして、何よりも嬉しい、音色を鮮やかに彩ったりと、さまざまに音楽を高めてくれるものでした。
長命種メリアであったフルティエリは、ベスラシアの奥地で長く妖精たちと戯れていましたが、妖精を友とする優れた詩人の存在は、やがて人の噂になり、知られることとなりました多くの詩人がフルティエリのもとを訪れ、学びを請いました。妖精と戯れるという真髄を理解できず、門前払いされる者が続出しましたが、一部はフルティエリの理想を感じ取り、技を受け継ぐことができました。
フルティエリはすでに一本のカエデの古木となっていますが、その周囲には彼女の意を継いだ者たちがいて、妖精たちと楽しく歌を交わす術を教えてくれます。また、そこから放浪の生活に移り、アヴァルフのいろいろな地でそれを披露している者もごく少数ながら存在しています。
この【森択演奏術】を身につけるには、妖精たちと心を通わせるために、フェアリーテイマー技能の習得が必須です。
流派装備
この流派の秘伝を使うには、楽器に〈妖精の楽器加工〉を施し、〈妖精の楽器〉としなければなりません。妖精使いの宝石を2つ嵌められるものと4つ嵌められるものとがありますが、後者を装備するには戦闘特技《特殊楽器習熟》が必要です。
〈妖精の楽器加工〉(⇒US34)
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈妖精の楽器加工(2)〉/〈妖精の楽器加工(4)〉 | 12 | 武器や防具の強化 | 1,000 +20名誉点/3,000+50名誉点 | 【アヴァルフ口伝・森択演奏術】に必要な楽器への加工 |
秘伝
《妖精が惹かれて覗きこむ》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《楽素転換》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈妖精の楽器(闇)〉
- 使用
- ―
- 適用
- 一瞬
- リスク
- なし
- 概要
- 楽素を1つ生成
- 効果
この秘伝を宣言するには、手番での移動が「制限移動」でなければならず、かつ「闇」の妖精との契約が行われている宝石を嵌めた〈妖精の楽器〉を装備しなければなりません。
無作為に楽素を決定し、その蓄積量を+1します。
秘伝の宣言を行うときにMPを「2」点消費した場合、無作為ではなく任意に楽素を選ぶことができます。
《優しき妖精が抱きしめる》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈妖精の楽器(光and/or闇)〉
- 使用
- バード技能
- 適用
- 1回の回復系終律演奏
- リスク
- なし
- 概要
- 回復系終律の威力を+10
- 効果
この秘伝を宣言するにはMPを「3」点消費しなければなりません。
この秘伝は、HPまたはMPを回復させる効果を持つ終律を演奏するときに宣言でき、それによってその終律の威力を+10します。
演奏は〈妖精の楽器〉で行わなければなりません。かつ、HPを回復させるものなら「光」、MPを回復させるものなら「闇」の妖精との契約が行われている宝石を嵌めた状態でなければなりません。
《無邪気に妖精が舞い踊る》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈妖精の楽器〉
- 使用
- —
- 適用
- 直後の1回の呪歌・終律演奏
- リスク
- —
- 概要
- さまざまな無作為効果
- 効果
この秘伝の習得者は補助動作でMPを「1d」点消費することで、その手番内で直後に自分自身が行う呪歌や終律の演奏1回に特殊な効果を受けることができます。
決定されたMP消費量に従って、効果が決まります。演奏する呪歌や終律は、この効果決定後に選んでかまいません。
MP消費量と効果を決定した後にそれを取り消すことはできず、必ずMPを消費します。もし、MPを消費できない場合、不足分を確定ダメージとしてHPに受けなければならず、そして、いっさいの効果が発生しません。
一度決めた効果が不満な場合に新たにMPを消費して、別の効果を求めることは可能です。効果はその都度上書きされ、最後の1回分だけが有効になります。最後の1回のMPを消費できなければ、無効果として確定します。1d(MP) 効果(呪歌) 効果(終律) 1 演奏判定の達成値+1 同左 2 基礎楽素を追加で+1※1 【冬の寒風】【水竜の轟】の威力+10※2 3 任意の楽素を追加で+1※1 消費楽素を任意に-1※1 4 演奏判定の達成値+2 同左 5 発生条件を無視して効果発生 楽素の消費0 6 「抵抗:必中」となる 同左 効果を受けるには、演奏は〈妖精の楽器〉で行わなければなりません。かつ、「※1」の効果を発生させるなら「闇」、「※2」の効果を発生させるなら「水・氷」の妖精との契約が行われている宝石を嵌めた状態でなければなりません。