【オルフィード式蒸発妖精術】
(ドーデン地方)- 入門条件
- 50名誉点
オルフィード湖国は〈大破局〉の際に水没し滅亡しかけた過去を持っています。【オルフィード式蒸発妖精術】の歴史は、この危機の時間に遡ります。
水没の危機に見舞われ、水棲蛮族の猛攻に晒された湖国を救ったのが、炎と土の妖精魔法を得意とする大魔法使い、“赤き鱗”ヴィンツアードでした。
足元を水が洗うほどに湖面が上昇し、水の下に押し寄せる蛮族の影が無数に見えるという状況の中、ヴィンツアードは太陽の光と大地の下に眠る火山から熱を引き出し、周囲を熱湯と蒸気の世界へと変えてしまいます。水中の蛮族たちは、そのまま茹であげられるか、慌てて飛び出したところを、待ち構えていた弓兵や【シュートアロー】を行使する妖精使いからの集中砲火を受けて射殺されていきました。
水棲蛮族による攻撃が一度で終わるはずもなく、また、その立地からありとあらゆる場所からオルフィード湖国は攻め立てられましたが、ヴィンツアードは超一流の魔法使いであると同時に軍師でもありました。蛮族たちの襲来のバターンをしっかりと推理し、そして、魔法と同時に地形を使って待ち受ける策を講じて立ち向かいます。複数からの同時攻撃にも、彼から秘策を授けられた弟子たちが戦場を飛び回り、対応します。
伝統的な高い士気により、オルフィード湖国軍はヴィンツアードの指揮を全うし、その意図を完全に実現しました。戦士が白兵攻撃を食い止め続ける傍らで、妖精使いたちは、水中の敵と戦うことに特化した魔法を駆使し、蛮族たちを熱水に溺れさせました。
防衛線は崩されることなく蛮族を撥ねのけ続け、湖国は〈大破局〉を乗り切り、命運を保ちました。
ヴィンツアードの技は現在のオルフィード湖国軍に受け継がれ、湖国を守る象徴として称えられています。
この【オルフィード式蒸発妖精術】の名声が知れ渡るにつれ、それを身につけたいと言う外部の声も高くなっていきました。そうした要望を受け、現在、オルフィード湖国軍はそうした技法や魔法の一部を外部に開放しています。
秘伝を教えるにあたり、オルフィード湖国は同盟者として振る舞うことを要求します。これに反した行いがあれば、ただちにこの流派を破門されると同時に、オルフィード湖国そのものから犯罪者として扱われることになります。国内に留まるなど到底不可能ですし、国外に逃げた者にも執拗な追跡が行われると言われています。
“赤き鳞”ヴィンツアードの遣した技法は数多く、特に集団戦に関与するものなどで、まだまだ不出となっているものもあるようです。それらは湖国の財産であり、強力な切り札です。それらまでもが開放される日は近くではないでしょう。
流派装備
秘伝魔法の使用を可能にする特別なイヤリングが入門者には販売されています。また、特殊な軍配も用意されています。これは、ヴィンツアードに関する伝承を再現するために作られ、外部に向けて売り出されたと噂されています。
〈地熱の軍配〉(⇒DD37頁)、〈陽熱の軍配〉(⇒DD37頁)、〈炎石のイヤリング〉(⇒DD38頁)
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈地熱の軍配〉 | 14 | 冒険道具類 | 16,000 +50名誉点 | 1分の間、土属性+2、水・氷属性-1 |
〈陽熱の軍配〉 | 14 | 冒険道具類 | 16,000 +50名誉点 | 1分の間、炎属性+2、水・氷属性-1 |
〈炎石のイヤリング〉 | 10 | 装飾品:耳 | 200 +20名誉点 | 【オルフィード式蒸発妖精術】秘伝魔法の行使に必要。水・氷属性の魔法行使が出目3で自動失敗する |
秘伝魔法
この流派は一般的な秘伝を外部に開放していません。(何かあることは確実視されています)。代わりに、独自の魔法を外部入門者に伝えています。
これらの魔法は、指定された名誉点(名称の後ろに付記されています)を支払うことで習得できます。
これらの魔法を使用するには、流派アイテムである〈炎石のイヤリング〉を装備し、かつ、土属性と炎属性の両方を指定されているランクで行使できる状態でなければなりません。
- 2
- 【フレイムガード】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP5
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 対象への物理ダメージを1回だけ-5し、近接なら炎属性の3点確定ダメージを返す
- 効果
対象の周囲に小さな炎が浮き、武器などの危険に割り込んで食い止めます。
対象が物理ダメージを受けるとき、それを「-5」点することができます。実際に攻撃を受け、合算ダメージを決定した後で、この効果を受けるかどうかを、対象が選択します。
効果を発揮したダメージが近接攻撃や「射程:接触」の効果によるものだった場合、そのダメージを発生させたものに対し、「3」点の炎属性の確定ダメージを与えます。
一度効果を発揮すると、その時点でこの魔法は解除されます。
- 4
- 【ヒートハンマー】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP5
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 一瞬
- 抵抗
- 必中
- 属性
- 土かつ炎
- 概要
- 威力20物理ダメージ、C値⑫
- 効果
対象の眼前に燃えさかる炎のハンマーが出現し、殴りつけます。
対象に「威力20+魔力」点の土かつ炎属性の物理ダメージを与えます。このダメージ算出においては、C値は⑫として扱います。また、魔法の打撃武器と同等の性質を持つとして、対象となったキャラクターの特殊能力によるダメージ軽減や増加が行われます。
- 7
- 【エクスプロージブボイル】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP8
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 一瞬
- 抵抗
- 半減
- 属性
- 炎
- 概要
- 威力40ダメージを与え、体勢を崩す。水中のみ対象
- 効果
この魔法は少なくとも身体の半分以上を水中に没しているキャラクターでなければ対象とすることはできません。
対象の周囲の水を突沸させ、「威力40+魔力」点の炎属性の魔法ダメージを与えます。加えて、対象は抵抗力判定に失敗したら大きく体勢を崩してしまいます。これは地上における転倒状態と同様に扱います。水中での位置(深さ)が問題となる場合には、対象は10m、それより浅ければ水底まで一気に沈降するものとします。
- 10
- 【フレイムパス】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP6
- 対象
- 任意の地点
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- なし
- 概要
- 炎に守られた道を敷く
- 効果
術者の傍から指定した場所までまっすぐに伸びる、幅3mの道を作製します。この道は地面だけでなく、水面などにも敷くことができ、その上に安定して立つことが可能です。空中には敷設できません(固体や液体の表面に接して作られます)。すでに物体や生物、キャラクターがあるところを貫くように作製することはできません。
この道の上では、もともとの地面や水面などが持っていた悪影響やダメージを被ることはありません。加えて、道の両脇は炎によって守られており、すべての水・氷属性の物理ダメージ、魔法ダメージは「-5」点されます。
- 13
- 【ホットスラッジ】
- 必要名誉点
- 100
- 消費
- MP18
- 対象
- 全エリア(半径30m)/
空間
- 射程/
形状 - 術者/
- 時間
- 一瞬/
3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 必中
- 属性
- 土かつ炎
- 概要
- 水環境を煮える汚泥に変える。毎ラウンド5点ダメージ
- 効果
効果範囲内にある、海、湖沼、河川、プールなど、環境として存在している水を煮えたぎる汚泥に変えてしまいます。[剣の加護/優しき水]「[常]水中適性」「[常]水中特化」「[常]水中専門」などの、水環境における不利を免れる効果はすべて意味をなくし、そこにいるキャラクターはすべて、汚泥にどのくらい埋没しているかによるペナルティ修正(全身で-4、半身で-2)を受けます。
効果時間中、汚泥に接しているキャラクターは、毎ラウンド、自身の手番の開始時に「5」点の土かつ炎属性の魔法ダメージを受けなければなりません。