【アルショニ軽身跳闘法】
(ドーデン地方)- 入門条件
- 50名誉点
【アルショニ軽身跳闘法】は、アルショニ島に古くから伝わる特殊な歩法や体術に起源を持つ戦闘術です。
島国であるアルショニは、海洋交通に頼り、発展してきました。記録では、建国以前は丸太を削って作ったロングボートを利用し、カーサリア諸島との貿易を行っていたようですが、国として成り立った後、魔動機文明時代には帆船を駆るようになり、交易の対象をアルフレイム大陸本土へと拡大しました。この帆船の操船に長け、船上での行動に精通していたのが、アルショニの船乗りたちの強みでした。
船乗りたちは、揺れる船上や、帆柱や帆桁などの不安定な高所で自在に動き回ることに慣れ親しんでいきました。いかに足を運び、身体を動かせば安全迅速に行動できるか、体勢を大きく崩した場合に、いかにすばやく立て直せるか、彼らはそれを自然と身につけ、仲間内で技術として継承していきます。それは船上だけでなく、不測の上陸先にままある水辺などの足場が悪い環境でも意義を持つものとして、さらに発展していきました。
外洋にまで広がり、大量の荷を積んだ航海において、海賊や、海棲の蛮族・危険動物の襲撃は日常茶飯事でした。不安定な船上での有利を得る技法として、船乗りたちの運足や体捌きの技術は、それらとの戦いにも応用されていきます。
魔動機文明時代の中期、そうした技法が時の女王ウィンドスィアの目に留まったことが、これを完成した闘法へと引き上げることになります。闘技としての可能性を直観した女王は、配下の武芸者たちに、この技法を戦いの場を船上に限定しない汎用性の高い闘技として体系立てることを命じます。武芸者たちは――女王自身も参画したという噂もあります――要素を分析し、体系を組み直してリファインし、【アルショニ軽身跳闘法】を完成させました。
女王自らが主導して完成を見たこの流派は、アルショニ島――現在のアルショニア女王国――で大いに人気を博し、全域で見られるほどに広がりました。キングスレイ鉄鋼共和国と鉄橋で結ばれた後もこの闘法は継承されており、今日に至っています。
その動きは流麗かつトリッキーで、力任せに戦う相手を幻感します。軽装で戦うことを前提としているため、非力な女性にも扱いやすいことで知られています。アルショニア女王国が女性上位な価値観を持つ国家であり、しかも過去に女王自らが創設に関わったという歴史もあって、女性からの人気が高く、習得者も多く見られる流派です。
この流派そのものは、アルショニア女王国の国民はもちろん、他の国民はもちろん、他国の民――特に冒険者――に対しても広く門戸を開いています。しかし王家にだけ伝わる特別な秘伝があるとされ、それは御留流として秘匿されています。その秘伝を見て生き残った者はいないとされ、その全貌はいまだベールに包まれています。
流派装備
【アルショニ軽身跳闘法】は、魔動機文明時代の魔法玩具を再加工し、軽業を助ける腰布としたものを開発し、伝えています。
〈浮身のパレオ〉(⇒DD38)
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈浮身のパレオ〉 | 8 | 装飾品:腰 | 1,000 +20名誉点 | 軽業判定に+1、MP1点の消費で+2(⇒DD38) |
秘伝
《ライジングリッパーⅠ》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《必殺攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 転倒状態
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- 回避されたら転倒
- 概要
- 命中力判定+2(実質±0)、威力表の出目+1
- 効果
これらの秘伝は自身が転倒状態にあり、かつ、自力で起き上がりが可能なときにのみ宣言できます。転倒しない効果を受けていたり、そうした能力を持っていたりしない限りにおいて、この秘伝使用に先立ち、補助動作で自ら地面に伏せることは可能です。
この秘伝を宣言した攻撃では命中力判定に《ライジングリッパーⅠ》で+2、《~Ⅱ》なら+3のボーナス修正を得ます。起き上がりながらの攻撃であるため、実質的には、これはボーナスなし/+1です。
攻撃が命中した場合、基礎特技と同様、威力表でダメージを決定する際に、出目を+1することができます。
攻撃に失敗して回避された場合、秘伝使用者は自動的に転倒してしまいます。その手番の間は起き上がることはできません。
《ライジングリッパーⅡ》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《必殺攻撃Ⅱ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 転倒状態
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- 回避されたら転倒
- 概要
- 命中力判定+3(実質±1)、威力表の出目+1
- 効果
これらの秘伝は自身が転倒状態にあり、かつ、自力で起き上がりが可能なときにのみ宣言できます。転倒しない効果を受けていたり、そうした能力を持っていたりしない限りにおいて、この秘伝使用に先立ち、補助動作で自ら地面に伏せることは可能です。
この秘伝を宣言した攻撃では命中力判定に《ライジングリッパーⅠ》で+2、《~Ⅱ》なら+3のボーナス修正を得ます。起き上がりながらの攻撃であるため、実質的には、これはボーナスなし/+1です。
攻撃が命中した場合、基礎特技と同様、威力表でダメージを決定する際に、出目を+1することができます。
攻撃に失敗して回避された場合、秘伝使用者は自動的に転倒してしまいます。その手番の間は起き上がることはできません。
《フローティングフットⅠ》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 常時型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 必要筋力10未満の防具
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- —
- 概要
- 足場が悪いことによるペナルティを軽減、足跡を隠蔽
- 効果
まるで体重のなきがごとく、軽やかに動くことができます。この秘伝の効果を受けるには、必要筋力が10以上の防具(〈非金属鎧〉〈金属鎧〉〈盾〉)を装備または着用・保持していてはなりません。「身体が自由に動かないことによるペナルティ修正の例」(⇒1-103)にある、「氷の上やぬかるみ」「網や蔦、泥などに絡みつかれている」の状態、あるいは、それに準じるとGMが判断する足場の悪い状態(たとえば流砂など)として受ける「-2」のペナルティ修正を、《フローティングフットⅠ》ならば「-1」に軽減し、《~Ⅱ》ならば、無視できます。
また、この秘伝の習得者は、(防具の条件を満たしていれば)足跡をはっきりと残すことがありません。もし、足跡を追跡される状況になった場合、その達成値の比べあいにおいて、《~Ⅰ》習得者は「+2」、《~Ⅱ》習得者は「+4」のボーナス修正を受けます。
《フローティングフットⅡ》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《フローティングフットⅠ》、冒険者レベル7以上
- 限定条件
- 必要筋力10未満の防具
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- —
- 概要
- 足場が悪いことによるペナルティを無視、足跡を隠蔽
- 効果
まるで体重のなきがごとく、軽やかに動くことができます。この秘伝の効果を受けるには、必要筋力が10以上の防具(〈非金属鎧〉〈金属鎧〉〈盾〉)を装備または着用・保持していてはなりません。「身体が自由に動かないことによるペナルティ修正の例」(⇒1-103)にある、「氷の上やぬかるみ」「網や蔦、泥などに絡みつかれている」の状態、あるいは、それに準じるとGMが判断する足場の悪い状態(たとえば流砂など)として受ける「-2」のペナルティ修正を、《フローティングフットⅠ》ならば「-1」に軽減し、《~Ⅱ》ならば、無視できます。
また、この秘伝の習得者は、(防具の条件を満たしていれば)足跡をはっきりと残すことがありません。もし、足跡を追跡される状況になった場合、その達成値の比べあいにおいて、《~Ⅰ》習得者は「+2」、《~Ⅱ》習得者は「+4」のボーナス修正を受けます。
《アクロバティックアボイドⅠ》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 常時型
- 前提
- なし
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 軽業判定で回避
- 効果
秘伝習得者は、回避力判定を行うとき、その代わりに軽業判定を使うことができます。成功すれば、回避力判定にその達成値で成功したときと同じ効果を得ます。このとき、軽業判定そのものへの修正とともに、本来の回避力判定に与えられる修正(防具によるものや戦闘特技や魔法の効果など)が、すべて適用されます。一つのアイテムや効果が回避力判定と軽業判定の両方に影響するときには累積させず、片方の判定(秘伝習得者が選びます)への修正だけを適用します。
この軽業判定での回避力判定の代替は、10秒(1ラウンド)の間に最大で1回までしか行えません。《アクロバティックアボイドⅡ》では、その習得者が近接攻撃やそれに準じる能力に対して軽業判定での回避に成功した場合、複数の部位を持つキャラクターでない限り、攻撃者や能力使用者は転倒します。
《アクロバティックアボイドⅡ》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《アクロバティックアボイドⅠ》、冒険者レベル7以上
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 軽業判定で回避、《~Ⅱ》ならば成功時相手は転倒
- 効果
秘伝習得者は、回避力判定を行うとき、その代わりに軽業判定を使うことができます。成功すれば、回避力判定にその達成値で成功したときと同じ効果を得ます。このとき、軽業判定そのものへの修正とともに、本来の回避力判定に与えられる修正(防具によるものや戦闘特技や魔法の効果など)が、すべて適用されます。一つのアイテムや効果が回避力判定と軽業判定の両方に影響するときには累積させず、片方の判定(秘伝習得者が選びます)への修正だけを適用します。
この軽業判定での回避力判定の代替は、10秒(1ラウンド)の間に最大で1回までしか行えません。《アクロバティックアボイドⅡ》では、その習得者が近接攻撃やそれに準じる能力に対して軽業判定での回避に成功した場合、複数の部位を持つキャラクターでない限り、攻撃者や能力使用者は転倒します。