【アースト強弓術】
(アルフレイム大陸全土)- 入門条件
- 50名誉点
この【アースト強射術】は、ランドール地方を中心に、ドーデン地方にまで広く伝わった流派です。
元々は、ランドール地方各地で転戦した、アースト強射団と呼ばれる傭兵団が用いた戦闘法です。ランドール地方にいまなお、蛮族の跳梁に加え、小国が割拠し、戦乱が絶えない土地です。アースト強射団はそうした争いの絶えない地で、金払いのよい雇い主を求めて転々としていました。
アースト強射団がなぜその名で呼ばれるのかも、はっきりとはしません。彼らはどの国家からも爪弾きにされた貧民や犯罪者、被差別種族などが中心となって組織されており、基本的に貧乏な集団でした。そのため、傭兵団とは言っても装備は間に合わせのものが多く、命を危険にさらすことで、どうにか安い報酬を得るのが精一杯といった食い詰め者の集まりだったのです。
それでも、彼らは彼らで生き残る術を考えました。その結果編み出されたのが、とにかく遠距離からの攻撃で近づかれる前に敵に損害を与え、少しでも自分たちが生き残る可能性を高める戦い方です。
とにかく資金に乏しい上に非力な下層民の多いアースト強射団ですから、まずはなるべく大きな石を、できるだけ遠くまで投げることから始めました。体を回転させ、遠心力を使って投擲する独特の投射術は、こうした考えから生まれたものです。
戦場でいきなり一斉に回転し始めるアースト強射団の姿は、最初は奇異な目で見られ、嘲笑すらされました。しかし彼らが大量に放つ石つぶての雨を受け、多くの兵士や蛮族たちは、唖然としたまま絶命したといいます。
また、敵兵を倒し、装備を奪うことで、アースト強射団は戦力を増強していきました。その際にも、重視したのは飛び道具や射撃武器の確保と運用です。強奪した武器は、当然ながら持ち手の力に余る物も少なくありません。そこで彼らは、これらを強引に使いこなす方法を編み出します。
その戦い方は、まさに強引極まりないものでしたが、それでも持たざる者たちの集まりとは思えない戦闘力と火力を獲得するに至ったのです。
こうして、アースト強射団は優れた攻撃力を有するに至り、ランドール地方に留まらず、その支隊はドーデン地方に至るまで戦いのある場所ならばどこにでも雇われました。
やがて、その特殊な飛び道具の扱い方は広く知られるようになり、蛮族と戦う冒険者にも伝わったとされます。集団で運用してこそ最大の効果を発揮する【アースト強射術】ですが、優れた能力と技量を持つ冒険者なら、個人単位でも十分な戦闘力を発揮しました。中にはさらなる発展系の秘伝を編み出し、集団戦をより有利に戦う方法を確立した者もいたようで、いまなお創意工夫により発展を続けている流派でもあるのです。
流派装備
【アースト強射術】は、独自の武器として「石」を伝えています。片手では掴みきれぬほどの大きな石を不格好に削って丸く仕上げた者や、さらに一回り大きな石に木の蔓を結わえつけて遠心力で投擲できるようにしたものなどが伝えられます。
武器としてはあまりに原始的な代物ですが、これらを投げられれば、流派の中で技を極めたものとして一目置かれる存在になれるのです。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈ボールドストーン〉![]() | 12 | 〈投擲〉B | 50 +10名誉点 | 命中力判定の自動失敗で破壊(不名誉点なし) |
〈ボールドハンマー〉![]() | 12 | 〈投擲〉B | 150 +10名誉点 | 命中力判定の自動失敗で破壊(不名誉点なし) |
秘伝
《振り上げうち》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- なし
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の遠隔攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 必要筋力が5超過の武器で攻撃、C値+1
- 効果
武器を振り回し、その遠心力を補助として重さに対抗して扱います。急所を狙うような精密な狙いは難しくなります。
この秘伝を宣言した場合、本来より「5」だけ必要筋力の高い武器を使用できます。ただし、命中時のダメージ算出でクリティカル値が+1されます。
《足固めうち》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《振り上げうち》
- 限定条件
- 2H射撃武器
- 使用
- シューター技能
- 適用
- 1回の射撃攻撃
- リスク
- 回避力-2
- 概要
- 必要筋力が10超過の武器で攻撃、C値+2
- 効果
銃床を地面に支えさせる、引き分けに足を使うなどの無理やりな体勢で本来使えない重い射撃武器を使います。精密な狙いは望めません。
この秘伝を宣言した場合、本来より「10」だけ必要筋力の高い武器を使用できます。ただし、その攻撃が命中したときのダメージ算出では、クリティカル値が+2されます。
また、あまりに悪い体勢をとっているため、リスクとして回避直判定に-2のペナルティ修正を受けます。
《横睨みうち》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《鷹の目》
- 限定条件
- なし
- 使用
- —
- 適用
- 1回の遠隔攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 命中力判定+2、複数位置に敵が必要
- 効果
別の対象を狙っている素振りを見せながら、本命に向かって遠隔攻撃を行います。
この秘伝を宣言するには、別のエリア(基本戦闘)・座標(上級・熟練戦闘)に、敵対陣営のキャラクターがそれぞれ存在し、両方ともが攻撃の対象に選べる状況でなければなりません。
それらの攻撃可能なうちの1つを対象としての遠隔攻撃においてこの秘伝を宣言でき、その命中力判定の達成値に+2のボーナス修正を得ます。
この秘伝は《狙撃》の効果を受ける命中力判定では宣言できません。