【スホルテン騎乗戦技】
(オーレルム地方)- 入門条件
- 50名誉点
大平原によってその大部分が占められているオーレルム地方では、古来機動力に優れ、高い打撃力を誇る騎獣が重要な役割を果たしてきました。そのため、この地で勃興と滅亡を繰り返してきたいずれの国家においても、騎獣を活用した戦術が研究され、騎乗状態での戦闘技術が発展を遂げることとなったのです。
【スホルテン騎乗戦技】は、そうした騎乗状態での戦闘技術のひとつとして、大陸中で知られた流派です。 この戦技は、魔動機文明時代にオーレルム地方西部に存在したクヴァイ連邦において創始されたとされています。当時、クヴァイ連邦は、周辺国のすべてから侵略を受けており、常に国土のどこかで戦闘が行われている状態でした。そのため、高い機動力を有する騎獣兵団を組織して、素早く戦場を移動しながら敵戦力に対応する機動防御を主戦術としていたのです。一方で、魔動機術の発展によって銃器が軍の主兵装となっていたため、重い金属鎧によって防御を固める重装騎兵は廃れ、機動力を活かして銃撃を回避する軽装騎兵が戦場の主役となりつつありました。しかしクヴァイ連邦の騎獣兵団は戦闘に続く戦闘によって補給も途絶えがちだったため、銃弾が尽きた状態での戦闘も日常茶飯事でした。
こうした情勢下で、クヴァイ連邦の騎乗戦闘術の教官であったフィリベルト・スホルテンは、高速で騎乗しながら、雨のように降り注ぐ銃撃を武器で受け流し、敵に肉薄する戦技を編み出しました。この【スホルテン騎獣戦技】においては、片手で手綱を操る場合を考慮し、片手武器の使用が重視され、またその武器を用いて身を守りました。
同時に重視されたのは、騎獣との一体性です。騎獣が囮となって敵を惑わし、騎手がその隙を突いたり、逆に騎手の攻撃の陰から騎獣が攻撃したりと、優れた使い手の攻撃はまさに変幻自在と言うに相応しいものでした。
クヴァイ連邦は、この戦技を収めた高速騎兵隊によって多くの戦果を上げ、数多の侵略者を血祭りに上げたと言われています。しかし度重なる侵略の前には抗しきれず、ついには滅亡してしまいました。
しかし国は滅びても、【スホルテン騎乗戦技】の技術は受け継がれ、やがて訪れた〈大破局〉の時代にも蛮族を相手にその力を遺憾なく発揮したことで知られています。
こうして受け継がれた【スホルテン騎乗戦技】は、いまではオーレルム地方から他の地方にも伝播しており、いくつかの亜流派を生み出しつつも、いまなおその名を大陸中に残しているのです。
流派装備
この流派では、騎手の能力値(器用度または敏捷度)を底上げしつつ、破壊によって瞬間的に騎手の行為判定や、騎獣の命中力・回避力判定の達成値を上昇してくれる指輪・腕輪を入門者に販売しています。
これの購入には名誉点は必要ありません。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈草原の友の輪〉 | 12 | 装飾品:手 | 750/1,500 | 破壊時に騎獣の命中力や回避力にも適用できる〈能力増強の指輪/腕輪〉(器用度、敏捷度のみ) |
秘伝
《風薙ぎ》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 主動作型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 騎乗状態、1H近接攻撃武器
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 自身と騎獣の回避力判定+2
- 効果
この秘伝を主動作として実行してから直後の10秒(1ラウンド)の間、秘伝使用者とそれが騎乗する騎獣は、あらゆる回避力判定に+2のボーナス修正を得ます。この効果は騎手が「1H拳」「1H#」以外の「用法:1H」の近接攻撃武器を装備しているときのみ得られます。
《波崩し》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《囮攻撃Ⅰ》
- 限定条件
- 騎乗状態
- 使用
- ―
- 適用
- —
- リスク
- ―
- 概要
- 騎獣が《囮攻撃》を行える
- 効果
騎獣が、その攻撃に《囮攻撃Ⅰ》を宣言できるようになります。騎獣の部位数や攻撃回数にかかわらず、宣言できるのは1回のみです。騎獣が最初から宣言型特技の能力を持っている場合、「《囮攻撃Ⅰ》を宣言できる能力が1回だけ追加される」として処理してください。
《影断ち》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《斬り返しⅠ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 騎乗状態
- 使用
- 近接攻撃武器
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 騎手の攻撃が失敗時、騎獣の命中力+2
- 効果
この秘伝の使用を宣言した機種による攻撃が回避された場合、直後に行われる騎獣の命中力判定に+2のボーナス修正が発生します。この効果は騎獣が命中力判定を1回行うと、その成否にかかわらず、消滅します。
なお、基礎特技と異なり、騎手によって装備される近接攻撃武器に「用法:2H」の制限がないことを注記しておきます。
《木影断ち》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《斬り返しⅡ》変化型
- 前提
- 《影断ち》
- 限定条件
- 騎乗状態
- 使用
- 近接攻撃武器
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 騎手によるダメージ+4、騎手の攻撃が失敗時、騎獣の命中力+2
- 効果
《影断ち》と同様ですが、騎手の攻撃が命中した場合、それが発生させる物理ダメージ、魔法ダメージに「+4」点されます。
他の部分は《影断ち》とまったく同じです。