【カスロット豪砂拳・バタス派】
(アルフレイム大陸全土)- 入門条件
- 50名誉点
この流派の源流は、ブルライト地方西部にあるカスロット砂漠に住む少数民族、ヤドラ族のあいだで伝えられていた格闘術です。
ヤドラ族は、大柄で、濃い褐色の肌を持つ人間です。カスロット砂漠の砂に埋もれた魔法文明時代の地下遺跡を住処とする少数民族であり、いつからそこで暮らしていたのかは定かではありません(古代魔法文明時代に、魔法王の迫害を逃れて定住した、という説すらあります)。
ヤドラ族は排他的であり、他の人族とも交流を断っていました。同時に、自衛のための格闘術を、独自に練り続けていたのです。
そんなヤドラ族の扱う【カスロット豪砂拳】は、足場の不安定な砂漠という環境で戦うことを前提としているため、足は地を蹴ることに集中させ、己の拳のみを武器とするのが特徴です。また、連続攻撃を得意とする通常の拳闘士と異なり、「一撃万破」を真髄としています。
一般的なヤドラ族は、気温が下がる夜に活動することから、その姿を見られることはほとんどありませんでした。しかし、ヤドラ族の戦士たちだけは昼間に姿を現し、灼けた砂に拳をひたすら打ち込むという修行をしていました。これにより、両腕を鋼鉄のごとく鍛え上げ、まさに必殺の拳を作り上げていたのです。その姿は、ごく稀に砂漠を旅する者の目にも留まり、「蜃気楼の先に、大地を殴る黒い巨人がいる」という伝承として知られるようになりました。
〈大破局〉後、その伝承を知って砂漠へ繰り出し、命がけでヤドラ族の隠れ里に辿りついたのが、ナイトメアの拳闘士にして蛮族と戦う術を求めていた求道者バタスです。はじめはヤドラ族に警戒されましたが、ひたすら共に鍛練するひたむきさは彼らの心を打ち、正式に教えを受けるに至ります。
バタスはその技で数多くの蛮族やその王たちを葬り、勇名は大陸中に知れ渡ることとなりました。当然、多くの弟子入り志願者が訪れ、バタスは蛮族と戦う力になればと、その多くを受け入れたといいます。しかしヤドラ族から伝えられたその鍛練法は極めて厳しく、ほとんどの者が基礎の段階で脱落してしまいました。それでもバタスは根気強く指導を続け、いまでは大陸中でその道場を見ることができます。
現在に伝わる秘伝は、本来バタスが伝えた奥義のほんの一部に過ぎないとされています。それでも武器を持たない者たちが蛮族に対抗する貴重な手段として、多くの者が修練を重ね、技を磨いています。
そしてバタスはいまもなお、カスロット砂漠のいずこかで居を構え、真の奥義を伝えるに相応しい者を待っていると噂されています。
流派装備
この流派では、自らの拳を鍛え上げて武器としており、他に武器を持つことをよしとしていません。秘伝《鉄拳鈍輝》の習得で、この流派の装備として〈パンチ〉を強化する武器を得ますが、これらはすべて「素手」であることと同じ扱いをします。
すべて《鉄拳鈍輝》とランクに応じた《武器習熟/格闘》の習得で自動的に獲得され、金銭や名誉点の支払いは必要ありません。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈鉄砂拳〉![]() ![]() ![]() | 〈格闘〉B 〈格闘〉A 〈格闘〉S | 0 | グラップラー専用、パンチを強化 | |
データ取得失敗 | ||||
データ取得失敗 |
秘伝
《鉄拳鈍輝》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 常時型
- 前提
- なし
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- —
- 概要
- 〈鉄砂拳〉を装備可能になる
- 効果
カテゴリ〈格闘〉武器〈鉄砂拳〉を装備可能になります。
また、《武器習熟A/格闘》習得で〈鉄砂鋼拳〉、《武器習熟S/格闘》習得で〈鉄砂金剛拳〉が装備可能になります。
《鉄砂拳響》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 主動作型
- 前提
- 《鉄拳鈍輝》
- 限定条件
- 〈鉄砂拳〉、自立状態
- 使用
- グラップラー技能
- 適用
- —
- リスク
- ―
- 概要
- 強力な近接攻撃を放つ
- 効果
主動作として〈鉄砂拳〉(またはその上位武器)による近接攻撃を1回だけ行います。この秘伝による攻撃は、〈追加攻撃〉を発生させません。また、〈両手利き〉を習得していても、攻撃は1回に限られます。《跳び蹴り》を行った手番にはこの秘伝は使用できません。この秘伝での攻撃時に《乱撃》《マルチアクション》は宣言できません。その他の「適用:1回の近接攻撃」の宣言特技や宣言型秘伝の宣言は原則としては可能ですが、攻撃の対象を増やしたり、キャラクターに追加で何らかの行動を許したりする特技や秘伝はすべて無効です。
この秘伝は、他のいかなる主動作とも両立しません。手番に複数回の主動作を行える場合、そのすべてをこの秘伝として実行することはできますが、この秘伝と他の主動作が1手番内に両方とも行われることがあってはなりません。
この秘伝を使う場合、キャラクターは地面に自分の足で立っていなければならず、飛行、浮遊、搭載、転倒などの状態では使用できません。
この攻撃が命中した場合、ダメージ決定時に「キャラクターのグラップラー技能レベル」を追加で加算します。
《一撃万破・鉄砂崩拳 》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《鎧貫きⅠ》変化型
- 前提
- 《鉄拳鈍輝》
- 限定条件
- 〈鉄砂拳〉、自立状態
- 使用
- グラップラー技能
- 適用
- 1回の《鉄拳鈍輝》による攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 対象の防護点を破壊する
- 効果
この秘伝は《鉄砂拳響》によって攻撃を行うときのみに宣言できます。この秘伝による攻撃ではクリティカルは発生しなくなります。
攻撃が命中したら、まず対象の防護点を「破壊」し、減少させます(その分量については後述)。その後にダメージ計算を行って、ダメージを適用します。
「破壊」される防護点は以下のように決められます。いずれの場合でも効果は累積していきますが、自ずと「1」ないし「2」点が下限となります。
・対象がPCデータのキャラクター場合
攻撃を受けた対象が装備している防具(鎧、盾、装飾品)のうち、その時点で最も防護点が高いもの(複数あるなら無作為)が選ばれ、その防護点が半分(端数切り上げ)になります。この損傷は、減少した防護点1点ごと、それらのアイテムの価格の10%(最大90%)を支払うことで修理してもらえます。このとき、1点ごと1日の時間(上限なし)も必要です(たとえば、基本取引価格10万Gの〈インペリアル〉が13点の損傷を受けたら、9万Gと13日が必要です)。
・対象が魔物データのキャラクターの場合
対象の防護点が2/3(端数切り上げ)になります。失われた防護点は1日あたり1点の割合で自動的に回復します。