“酔悦神”ドゥヴルーク
(第二の剣/大神)聖印と神像
ドゥヴルークの聖印は中から液体が溢れ出る杯を意匠化したものです。文化圏によって杯の形が変わることもありますが、基本的にはゴブレットの形をしており、でなければ角杯であることが多いです。神像は寝そべるか座り込んだ大柄な男性が、左手に瓶を持ち右手の杯を岬っている姿で描かれます。蛮族の中ではダークトロールなど巨人族とされるのが一般的ですが、稀に人族に信仰されている際には長いヒゲの生えた恰幅のいい人間として作られることが多いです。
神格と教義
かつて神紀文明時代に料理と酒を生み出したとされる食福神ミィルズの親切心につけこみ、“酒”を奪ったと伝わる神です。奪った“酒”に惚れこみすぎたあげく、限度を超えた暴飲の末“酒”の中に「イグニスの命の炎」を見出し、神格を得たとされています。そのままダルクレムの軍勢に酒を持ち込み、味方には飲酒による戦意高揚を、敵には深酒と依存による弱体化工作を行い、神々の戦争に混乱をまき散らしたと伝わっています。
そうした神話から、その教義は大きく2つに分かれることになりました。1つは酒を救いとし、飲酒の果てに真理を見出し神への階梯を登らんとする教え、そしてもう1つは酒を通じて他者を害し、縛り、 操作する教えです。信者によってどちらに重きをおくかは様々ですが、概ね平信者や下級な蛮族ほど前者を、高位の司祭や上位の蛮族ほど後者の教えを重視する傾向があります(そもそも後者の教え自体司祭級の存在でなければ秘されているケースも少なくありません)。
第二の剣イグニスに由来する神格であるため、基本的には蛮族に信仰されており、巨人族や妖魔などに信者が多い傾向があります。一方で人族の中でも稀に秘密裡に信仰する者やカルトが存在し、裏社会でそれなりの力を持つに至ることもあります。
格言
「酒は勇気を与え、苦を忘れさせてくれる」
「呑むならば呑まれよ。痛飲の先にこそ真実が在る」
「他者に杯を与えるならば、酔わせ、潰し、依存させよ。 すべては己が愉悦のために」
特殊神聖魔法
- 2
- 【ストロングドリンク】
- 消費
- MP1
- 対象
- 10リットルまでの液体
- 射程/
形状 - 接触/
―
- 時間
- 一瞬
- 抵抗
- 消滅
- 概要
- 液体を強く質の悪い酒に変える
- 効果
水などの液体を、質の悪い酒に変えます。対象となる液体は、術者が直接触れることができ、かつ、連続して存在する体積10リットルまでのものに限られます。
液体の毒物や薬物も対象とすることができますが、その場合には、達成値の比べあいを行う必要があります。
この酒を1リットル飲むごとに、作製時の達成値に対して生命抵抗力判定を行わなければいけません。失敗した場合、 飲んでから6時間、行動判定に-1のペナルティ修正を受けます。この効果は累積します(最大-4)。
この効果は毒属性です。
- 4
- 【ドランク】
- 消費
- MP4
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 3時間
- 抵抗
- 消滅
- 属性
- 毒
- 概要
- 対象を酔わせ、眠らせる
- 効果
対象の周囲に酒の霧を発生させて吸わせ、対象を酔わせたうえで眠らせます。
この眠りは精神効果属性(弱)として扱います。しかし、 目覚めた後でもこの効果を受けていた場合、効果時間中は酔っている状態は続いており、すべての行為判定に-1のペナルティ修正を受けます。
この魔法は、眠らないキャラクターには一切効果がありません。
- 7
- 【ライトウェイト】
- 消費
- MP6
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 接触/
―
- 時間
- 1時間
- 抵抗
- 必中
- 概要
- 対象を毒に弱くする
- 効果
対象を毒の効果に対して弱くします。
対象は効果時間中、毒属性の効果に対する生命抵抗力判定に-4のペナルティ修正を受けます。
ただし、この魔法の効果時間中に受けた毒属性の効果を解除する場合には、比べあいの基準となる毒の達成値は、本来よりも4低いものとして扱います(最低0)。
- 10
- 【ブラックアウト】
- 消費
- MP15
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 接触/
―
- 時間
- 3時間/
1年
- 抵抗
- 消滅
- 属性
- 精神効果、毒
- 概要
- 3時間対象が好意的に接した上、その記憶を1年間失う
- 効果
対象を酩酊させ、対象の一定期間の記憶を失わせます。
対象は術者に対して好意的になります。また、効果時間中は飲酒したときのように陽気になり、細かいことが気にならず、楽観的になります。効果時間中、術者が対象に対して頼み事や交渉などで行為判定を試みる場合、達成値に+4のボーナス修正を得ます。
効果時間中であっても、術者が対象に対して危害を加えるような動作を試みたり、敵対的な行動や言動を取った場合、すべての効果は即座に失われます。
また、対象はこの魔法の効果を受けた翌日以降、魔法を行使されてから3時間の記憶を失います。魔法を行使された事実も忘れます。他者から記憶を失った期間の言動や行動を指摘されても、1年の間は自力で思い出すことはできません。
対象が3時間、好意的になる効果は精神効果属性として扱い、1年の間記憶を失う効果は毒属性として扱います。
対象がこの魔法の効果で記憶を失っていることが分かっている場合、その期間(1年)内に【キュア・ポイズン】などの効果で、達成値の比べあいによって解除を試みることは可能です。
- 13
- 【スピリットスワンプ】
- 消費
- MP20
- 対象
- 1エリア(半径6m)/
空間
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 必中
- 属性
- 毒
- 概要
- 毒の沼を作り出す
- 効果
対象の範囲に強い酒の沼を発生させます。
酒の沼は深さ1mほどで、範囲内で地面に立った状態であれば「腰から下が水に浸かっている」ことによるペナルティ修正を受けます(⇒1-103)。
また、沼の範囲内に存在するすべてのキャラクターは、手番開始時にこの魔法の達成値に対して生命抵抗力判定を行わなければなりません。失敗すると10秒(1ラウンド)の間、酩酊状態となり、行動判定に-1のペナルティ修正を受けます。
酩酊状態となる効果は、範囲内で手番開始を迎えた場合、移動手段や状態にかかわらず、沼に直接触れていなくても、 その範囲内に存在するだけで影響を受けます。また、一度抵抗に成功したとしても、手番開始のたびに生命抵抗力判定を試みなければいけません。
水に浸かっている効果に属性はなく、酩酊状態となる効果は毒属性として扱います。