【フィノア派森羅導術】
(ドーデン地方)- 入門条件
- 50名誉点
フィノア大草原やその辺で、放浪生活をしているドルイドを見かけたなら、それは【フィノア派森羅導術】に属している者である可能性を強く感じてください。この流派の発祥は、魔法文明時代にまでさかのぼると伝えられています。
フィノア大草原なるものは、もともとは存在しない場所でした。遥かなる過去では、フレジア大森林が大きく広がり、今の大草原があるあたりも、その一部だったのです。
しかし、魔法文明時代の中期頃、農耕と牧畜に利用せんと魔法王たちが森林を焼き払います。それが、現在フィノア大草原として知られる広大な草原を生んだのです。
この大規模な森林消失は、当時のドルイド指導者ジャンハル・ギーンを大いに憂えさせました。彼は、フィノア大草原をふたたび大森林へと回復させることを誓い、【フィノア派森羅導術】を興しました。
以来、五千年以上の長きにわたって、【フィノア派】は大草原の森林化を悲願として存在しています。言い伝えられているところによると、そこに栄えた城市都市マグノアが、それを築いた魔法王の死後に滅び、住人たちの人口が大きく減じた、魔法文明時代後期の時期には、大草原の四分の一近くを森林に回復させたとされています。
しかし、大森林は再びその境界線を後退させていきます。まず、魔法文明の崩壊が魔物たちの跳梁跋扈を呼び、荒廃が起こりました。この災厄は単純に森林を荒廃させただけでなく、それを世話するドルイドたちの人数も大きく減らしました。そのため、世界の混乱が収まった後もドルイドたちは大森林の回復に十分な手を掛けられませんでした。
そうこうしているうちに魔動機文明が勃興します。そしてこの文明は、人々の豊かな生活のためにと、大森林の開発を始めたのです。ドルイドたちの反発や抗議は多勢に無勢で押し潰され、開発という名の侵食は躊躇なく進められました。
最後に〈大通局〉が訪れます。この大災は魔動後文明を減ほしましたが、大森林の回復に繋がったわけでもありません。むしろ、ドルイドたちも巻き込まれ、【フィノア派】そのものが消滅の危機に陥るほどの被害を受けました。
現在【フィノア派】のドルイドは少なく、悲願を果たす日は遠ざかってしまいました。それでも彼らは諦めておらず、いつの日か、この大草原が生い茂る木々に覆われる日があることを信じて活動を続けています。
【フィノア派】の秘伝は植物に特化しているのが特徴です。この秘伝を極めた者は、森の一部になることができるとされており、寿命が尽きるまでにそれを成し遂げることが【フィノア派】ドルイドたちの使命となっています。
【フィノア派】は、その思想に賛同する者を歓迎し、喜んで受け入れます。一方で、植物、特に木々に対しての狼藉には敏感に反応し、嫌悪を顕わにします。また、その歴史から魔道機術や魔道機師にはあまり好意的ではありません。
流派装備
この流派は、自ら樹木になるまでの修行がかなわず、志半ばに死した入門者を悼み、その思いを晴らすために作られたアイテムを伝えています。
〈供養の苗木〉(⇒DD37)
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈供養の苗木〉 | 15 | 冒険道具類(消耗品) | 2,000 +20名誉点 | 死者を懐かしむ木に育つ |
秘伝魔法
この流派は一般的な秘伝を持っておらず、特殊な森羅魔法を入門者に教えています。
これらの魔法は、そのレベルでドルイド技能を習得している者が、指定された名誉点(名称の後ろに付記されています)を支払うことで習得できます。
- 4
- ≫△【プランツヘヴン】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP4
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
- 時間
- 1分(6ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 植物系の魔法行使を有利にする
- 効果
効果時間の間、術者がその効果説明内に「分類:植物」の魔物の名前が登場するすべての魔法、及び、【スタッブボーンサバイバー】【プラントリグロウ】【ツリーホロウゲート】の行使を行うとき、消費MPが「その魔法の消費MP÷5」(端数切り上げ)点だけ減少します。この効果は、他のMPを増減する効果(《MP軽減/ドルイド》など)より先に適用し、この効果により消費MPが「0」点となることはありません。
この効果は【サプレッシングゲイザー】の追加MP消費にも適用されます。
- 6
- 【ランインターフェア】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP8
- 対象
- 2~3エリア(半径10m)/
すべて
- 射程/
形状 - 術者/
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 必中
- 概要
- 回避力判定-1
- 効果
術者の周囲にプレーリーデビル (⇒DD120)のつるを張り巡らせ、足元を妨害します。
効果範囲内にいるすべてのキャラクターは、その回避力判定に-1のペナルティ修正を受けます。接地せずに移動・行動しているキャラクター(飛行、浮遊など)は、この効果を受けません。
- 8
- ≫△【カウンターソーン】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP5
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 1分(6ラウンド)
- 抵抗
- 必中
- 概要
- 接触したものに確定ダメージ
- 効果
ナイトワンダラー(⇒DD121)の茨で対象を覆い、防護します。
この魔法の効果時間中に、対象に対して近接攻撃を試みたり、「射程:接触」の効果を及ぼそうとしたりしたもの(対象自身を除く)は、その行為の解決後、その成否にかかわりなく、確定ダメージを被ります。
発生する確定ダメージは、最初は「1」点ですが、10秒(1ラウンド)ごとに「1」点ずつ増加していき、最終的には「6」点になります。効果時間の上書き(⇒1-191、MA64)が行われた場合、増加していた段階から引き継がれます。しかし、効果が発生している時間が連続して6ラウンドを超えても、これより大きくなることはありません。これは《魔法拡大/時間》で効果時間を延長した場合も同様で、最大のダメージは「6」点です。
- 9
- ≫△【テンタクルカバレッジ】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP6
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 《カウンター》能力を与える
- 効果
メデューサヘッド(⇒BM120)の精霊体が対象を防護し、攻撃に反撃します。
効果時間の間、対象は戦闘特技《カウンター》を習得しているものとして扱われます(すでに《カウンター》を習得しているキャラクターにこれを行使しても、何の意味もありません)。
効果対象が一度《カウンター》による反撃を試みたら、この魔法は解除されます。
- 12
- 【ジョインネイチャー】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP1
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
- 時間
- 永続
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 樹木となる
- 効果
術者は樹木となります。どのような樹木となるかは任意ですが、術者の知識にあるものでなければなりません。また、魔物としてデータが存在しているものにもなれません。
術者の装備品はすべて非装備となり、その他の所持品とともにその足元に落ちます。樹木の状態では、これらのアイテムを術者が使用することはできません。
樹木となっている間、術者はいっさいの移動と、後述の「この魔法の効果を解除しようとする」以外の動作ができません。「知覚:魔法」となり、周囲を認識できますが、自ら言葉を発することはできません。思索は可能であり、精神感応的な手段(ティエンスの[通じ合う意識]など)やグラスランナーの[虫や植物との意思疎通]を利用すれば、外部と意思疎通を行えます。
樹木となったキャラクターは半永久的な寿命を持ちます。ただし、それは何もなければ生き続けられるという意味であり、伐採、火災、干ばつ、病虫害などの危険を免れることはできません。HP管理が必要な場合、術者のそれをそのまま用います。また、元の種族にかかわらず、樹皮による「10」点の防護点を得ます。生命抵抗力、精神抵抗力はそのまま抵抗力判定を行えますが、回避力判定は行えず、攻撃するものがあれば、それが命中力判定に自動失敗しない限り、命中を受けます。
術者が自らの意思でこの魔法の効果を解除しようとする場合、精神抵抗力判定を行います。目標値は最初は「20」で、この魔法の効果を受けて1日が経過するたび(朝6:00を迎えるたび)、「1」ずつ増加します。この試みは、1日に1度までしか行えません。
この魔法で樹木でいる間は、術者はもとの種族としては年を重ねません。この魔法が解除されたとき、術者はこの魔法を行使したときと同じ肉体年齢を引き継ぎます。