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【キルガリー双刃戦舞闘術】 - ゆとシート for SW2.5

【キルガリー双刃戦舞闘術そうじんせんぶとうぎ

(ブルライト地方)
入門条件
50名誉点、《両手利き》習得

 大山猫のリカントであるキルガリー・クルーシュは、ラージャハ帝国の軍人であり、両手利きを活かした二刀の技でいくつもの戦功を上げました。休みなく二刀を繰り出して敵を切り刻む姿は砂漠に舞う塵旋風、“ダストデビル”になぞらえられ、それが彼を畏怖して呼ぶ異名として使われました。
 武技を高め、名声を勝ち得ていきながら、彼の内には常に不満と不安がありました。一つには、二刀をそれぞれ片手で扱っていることによる、一回一回の打撃力の小ささです。
 もう一つは、これも二刀流であるがゆえの宿命である、盾の不存在です。防御面の不安は、戦場での悩みの種でした。とはいえ、盾を構えての一刀流に転向するという選択は、今まで築き上げてきた彼の武技、もっと言えば人生を否定するような行いであり、採ることは到底できませんでした。
 二つの出会いが、彼に光明を与えました。一人目は、ある棒術の達人でした。一本の棒の中程を開き気味に両手持ちに構え、回し打ちを主体に戦うその男の体捌きは、“ダストデビル”の戦い方に大変近しく、親和性の高いものでした。その上で、棒を両手に持つがゆえの防御術、先端で払うだけでなく、手と手の中間部で受ける動作は彼の武技には当然なく、そこに彼は自分自身の進化の余地を感じたのです。
 むろん、単純な二刀流のままその構えをまねて、空気で受けるわけにはいきません。自身の感じた進化が現実となりえると彼に思わせたのが二人目との出会いです。そのレプラカーンの鍛冶師は、武器に余計な工夫を施すことがしばしばでした。柄を長めにしてバランスを取ることで、少し重い刀身でも振りやすくする、切っ先にわずかな返しを入れることで切り抜くときにより深い傷を与えられるようにするなど、理はあっても――実際に、その工夫の一部は〈一押しの黄金房〉(⇒BL37)の技術にも取り入れられています――既製品に慣れきった者には不要で邪魔な加工を繰り返し、「いらぬお節介」の異名で呼ばれていました。しかし、キルガリーはこの鍛冶師の絶えざる探究心に可能性を感じ、「二本の刀剣を一本の棒のように扱いたい」という自分の希望を伝え、彼に新たな形の武器の製作を依頼したのです。
 応えた鍛冶師は、二本の側を柄の部分で連結させた武器を製作します。加えて「いらぬお節介」の本領も発揮、剣を連結させたり、切り離したりできる機構も加えて作り上げ、キルガリーに渡したのです。
 キルガリーはこれを否定せず、むしろ積極的に受け入れて二本の片手武器と一本の両手武器という形状を行ったり来たりさせながら戦う、ユニークな武技を作り上げていきます。体系の完成を確信したとき、彼は自ら道場を開き、広くその技を世に教え始めました。
 キルガリーはすでに世を去りましたが、【キルガリー双刃戦舞闘技】は、開祖の名前を受け継ぎながら、今もラージャハ帝国を中心に門徒を集めています。その性質上、入門には戦闘特技《両手利き》の習得が必要です。

流派装備

【キルガリー双刃戦舞闘技】は、流派アイテムとして「1本の両手武器」と「2本の片手武器」との形態変化を行う武器を用意しています。すべての流派秘伝は、これらの武器を装備していることを前提としています。
〈セパレイトプレイド〉、〈セパレイトソード〉、〈セパレイトファルシオン〉(⇒BL31、34)

名称 知名度 カテゴリ 価格 概要
〈セパレイトブレイド〉[刃] 10 〈ソード〉B 750
+20名誉点
1H形態と2H形態を持ち、【キルガリー双刃戦舞闘術】秘伝を使用できる
〈セパレイトソード〉[刃] 10 〈ソード〉A 2,000
+30名誉点
1H形態と2H形態を持ち、【キルガリー双刃戦舞闘術】秘伝を使用できる
〈セパレイトファルシオン〉[刃] 10 〈ソード〉S 8,000
+50名誉点
1H形態と2H形態を持ち、【キルガリー双刃戦舞闘術】秘伝を使用できる

秘伝

かげ半刃はんじん(ハーフブレイド・オブ・シャドウ)Ⅰ》

必要名誉点
20
タイプ
《斬り返しⅠ》変化型
前提
なし
限定条件
流派アイテムの〈ソード〉
使用
適用
1回の近接攻撃
リスク
なし
概要
2Hで攻撃、失敗したら命中力+1で1Hで攻撃
効果

 この秘伝は流派アイテムである〈ソード〉のいずれかを「2H形態」で装備しているときのみ宣言できます。
 宣言を行った攻撃が回避された場合、直後にもう1回同じ対象に近接攻撃を行います。ただし、2回目の命中力判定前に、武器は「1H形態」に自動的に変化し、変化した武器による命中力判定となります。その際、1H形態の武器には命中力判定に《影の半刃Ⅰ》なら「+1」、《~Ⅱ》なら「+2」のボーナス修正を得ます。このとき、両手に「1H形態」の武器を2つ持った形となりますが、《両手利き》による命中力判定のペナルティ修正は受けません(秘伝の効果による2回目の攻撃として扱います)。
 この秘伝を使用したら、一連の命中力判定の成否にかかわらず、使用した武器は必ず「1H形態」に変化します。
 なお、《影の半刃Ⅱ》において、基礎特技が持っていた初撃命中時のダメージ上昇はありません。

かげ半刃はんじん(ハーフブレイド・オブ・シャドウ)Ⅱ》

必要名誉点
30
タイプ
《斬り返しⅡ》変化型
前提
《影の半刃Ⅰ》
限定条件
流派アイテムの〈ソード〉
使用
適用
1回の近接攻撃
リスク
なし
概要
2Hで攻撃、失敗したら命中力+2で1Hで攻撃
効果

 この秘伝は流派アイテムである〈ソード〉のいずれかを「2H形態」で装備しているときのみ宣言できます。
 宣言を行った攻撃が回避された場合、直後にもう1回同じ対象に近接攻撃を行います。ただし、2回目の命中力判定前に、武器は「1H形態」に自動的に変化し、変化した武器による命中力判定となります。その際、1H形態の武器には命中力判定に《影の半刃Ⅰ》なら「+1」、《~Ⅱ》なら「+2」のボーナス修正を得ます。このとき、両手に「1H形態」の武器を2つ持った形となりますが、《両手利き》による命中力判定のペナルティ修正は受けません(秘伝の効果による2回目の攻撃として扱います)。
 この秘伝を使用したら、一連の命中力判定の成否にかかわらず、使用した武器は必ず「1H形態」に変化します。
 なお、《影の半刃Ⅱ》において、基礎特技が持っていた初撃命中時のダメージ上昇はありません。

しょう全刃ぜんじん(フルブレイド・オブ・インパクト)》

必要名誉点
20
タイプ
独自宣言型
前提
《双撃》
限定条件
流派アイテムの〈ソード〉
使用
適用
1回の近接攻撃
リスク
なし
概要
異なる2体への攻撃で、2体めを2Hで行う
効果

 この秘伝は流派アイテムである〈ソード〉のいずれかを「1H形態」で両腕に装備し、《両手利き》《双撃》の効果により、異なる2体へ攻撃するときのみ宣言できます。宣言のタイミングは2体めへの近接攻撃の命中力判定のときになります。
 1体めへの攻撃を通常通りに解決した後、武器は「2H形態」に自動的に変化し、2体めへの攻撃は、変化した武器による命中力判定となります。この2体めへの攻撃においても《両手利き》による命中力判定のペナルティ修正は発生します。
 それぞれの命中力判定の結果にいっさいかかわらず、攻撃終了後には、使用した武器は「2H形態」に変化しています。

鋼刃こうじん防壁ぼうへき(ディフェンス・オブ・ブレイズ)》

必要名誉点
50
タイプ
常時型
前提
《影の半刃》《衝の全刃》
限定条件
流派アイテムの〈ソード〉
使用
適用
リスク
概要
武器形態が2H→1H時に回避力+1、1H→2H時に防護点+1
効果

 秘伝習得者が装備している流派アイテムの〈ソード〉が、その手番中に「2H形態」から「1H形態」に変化した場合、続く10秒(1ラウンド)の間、回避力判定に+1のボーナス修正を得ます。この変化は秘伝《影の半刃》の効果による変化の他、主動作で変化させた場合なども有効です。
 同様に「1H形態」から「2H形態」に変化した場合、10秒(1ラウンド)の間、防護点が+1点されます。
 使用者が手番中に武器の形態変化を2回以上行い、いずれへの形態変化もあった場合、双方の効果が適用されます。ただし、同じ変化を2回以上行うことがあっても、1つの効果が累積することはありません(いずれの効果とも+2以上にはなりません)。

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