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【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】 - ゆとシート for SW2.5

【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】

(ウルシラ地方)
入門条件
50名誉点

【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】は、アヴァルフ妖精諸王国連邦の中でも、人間が中心に暮らすウル・ヴァ・ドゥール王国に密かに伝わる流派です。
 アヴァルフ妖精王国連邦は、基本的に戦いに消極的な、平和であることを望む連邦国家です。特に、主流三種族のうち、エルフとメリアは争いを好まず、戦うよりも隠れてやり過ごすことを好みます。
 しかし、ただそれだけでは国民と国土を守れないのは、残念な現実です。事実、魔動機文明時代には、この地に魔動機の力をもって入植しようとした国家が現れ、土地を奪われる危険に晒されました。
 こうしたことから、人間の王国であるウル・ヴァ・ドゥール王国は、自らが剣となり、盾となって連邦を守る役割を担うことを決めたのです。
 ですが、かつての侵略者がそうしたように強力な兵器で敵を打ち払い、乱暴になぎ倒していくようなさまは、“妖精の女王”の望むところとは考えられませんでした。可能な限り平和的に防衛することが求められました。そして、どうしても殺傷を避けられないときでも、敵対者に与える被害を最小限に留めることを矜持とし、「必要な相手だけを確実に倒す」方法が模索されました。
 葛藤と苦悩の末に編み出され、体系化されたのが、この【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】です。緑豊かなアヴァルフ妖精諸王国連邦の利を活かすべく、ウル・ヴァ・ドゥール王国の民が着目したのが、自然に豊富に存在する「毒物」を利用することでした。
 野伏として優れた能力を有する戦士を集めて結成された。ウル・ディ・ガウル森林遊撃剣士隊は毒物の研究と使用法の確立を進め、ついにそれを完成させたのです。
 彼らは、三種類の秘薬を使い分けて戦います。ひとつは命を奪う劇薬〈精霊の怒り〉で、ふたつ目は意識を刈り取る麻酔薬〈妖精の誘い〉です。最後のひとつは、装甲や外皮に損傷を与えて撤退を促す腐食液〈元素の嘆き〉です。この最後の秘薬の開発には、かつての魔動機による侵略の記憶が影響しています。ふつうの毒物では、魔動機には何の影響も与えられません。野山を探し、さまざまな素材を組み合わせ、化合させて金属を効率的に腐食する液体を作り出しました。
 武器にこれらの秘薬を纏わせる技法――特に〈元素の嘆き〉による腐食から自身の武器を守るコーティング剤の発見と使用――を確立したウル・ディ・ガウル森林遊撃剣士隊は、敵を倒し、ときに敵を捕らえてその目的を聞き出すことに成功しました。一部では「毒殺部隊」などと呼ばれることもありますが、その本質は「殺傷を最低限に留めつつ、防衛する」ことにあります。
 なお、ウル・ディ・ガウルは古いエルフ語で「秘薬の王」を意味し、同時に「生死を預かる者」ともされます。

流派装備

【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】では、その秘伝を使用するために必要な秘薬を作製するための材料、および、強度の異なる完成品を入門者に向けて販売しています。
 また、秘薬を武器に仕込むために必須の〈薬溝加工〉も行ってくれます。
〈秘薬の素〉(⇒US33)、〈薬溝加工〉(⇒US34)

名称 知名度 カテゴリ 価格 概要
〈秘薬の素:元素の嘆き〉〈秘薬の素:精霊の怒り〉〈秘薬の素:妖精の誘い〉 12 薬品 200 【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】の秘薬を作製するときの材料
〈薬溝加工〉 12 武器や防具の強化 2,000
+30名誉点
【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】秘伝に使用

秘伝

【ウル・ディ・ガウル秘薬刀術】 秘伝は、〈薬溝加工〉を施した武器に秘薬を仕込み、それが対応している戦闘特技(あるいはその変化型秘伝)を宣言した攻撃を行ったときに現れます。
 秘伝の分類としては常時型となり、それ自体にリスクはありませんが、戦闘特技・秘伝の宣言に付随するリスクが消滅したりはしないことに注意してください。
 効果の発生は自動的です。秘薬の無駄遣いになりそうな場合には、武器を使い分けたり、対応する戦闘特技の宣言を避けたりなどの工夫も大事です。

《エレメンタルパニッシュ》

必要名誉点
30
タイプ
常時型
前提
《全力攻撃Ⅰ》
限定条件
〈薬溝加工〉打撃武器&〈元素の嘆き〉
使用
適用
リスク
概要
《全力攻撃》時、対象の防護点を破壊
効果

 この秘伝の効果は、あらかじめ〈薬溝加工〉を行った打撃武器に〈元素の嘆き〉を仕込み、その武器で《全力攻撃》またはその変化型秘伝を宣言して攻撃を行ったときにのみ現れます。
 攻撃を命中させた場合、そのダメージ決定や効果の適用を終えた後、対象の防護点を「仕込んでいた〈元素の嘆き〉の強度÷5(端数切り上げ)」点だけ減少させます(防護点は「0」まで下がりえます)。この効果が一度現れると、仕込んでいた〈元素の嘆き〉は失われます。
 同一のキャラクターが複数回、この効果を受けることがあった場合、効果は累積・重複します。
 対象が魔物データのキャラクターの場合、データ上の防護点を減少させ、それは1日あたり1点の割合で自然回復します。
 対象がPCデータの場合には、攻撃が命中したときに攻撃者が、防御者が装備していたどの防具(防護点を持つ装備)を破損させたかを決定し、その防護点を減少させます。防護点が0となった装備は破壊されます。防護点が残っている場合、失われた防護点は1点あたりその装備の10%(最大90%)の価格を支払うことで修理してもらえます。修理には防護点1点あたり1日(上限なし)の時間も必要です。
 この効果は毒属性ではありません(「[常]毒無効」のキャラクターにも有効です)。

《スピリットデス》

必要名誉点
30
タイプ
常時型
前提
《必殺攻撃Ⅰ》
限定条件
〈薬溝加工〉刃武器&〈精霊の怒り〉
使用
適用
リスク
概要
《必殺攻撃》でクリティカル発生時、毒属性魔法ダメージ
効果

 この秘伝の効果は、あらかじめ〈薬溝加工〉を行った刃武器に〈精霊の怒り〉を仕込み、その武器で《必殺攻撃》またはその変化型秘伝を宣言して攻撃を行ったときにのみ現れます。
 攻撃が命中し、そのダメージ決定においてクリティカルが発生した場合、「3」点の毒属性の魔法ダメージを追加で与えます。クリティカルが複数回継続した場合は、「振り足しが発生した回数×3」点となります。ただし、この追加ダメージは最大でも、「仕込んでいた〈精霊の怒り〉の強度」点までです。
 この効果が発生すると、追加で与えたダメージの点数分、武器に仕込んでいた〈精霊の怒り〉の強度が低下します。追加で与えられる最大ダメージはそれだけ減少しますし、「0」点になれば、もはや効果は発生しません。〈精霊の怒り〉を仕込み直した場合、本来の強度に戻ります。このとき、何点の強度が残っていようと考慮しません。

《フェアリーウィスパー》

必要名誉点
30
タイプ
常時型
前提
《牽制攻撃Ⅰ》
限定条件
〈薬溝加工〉武器&〈妖精の誘い〉
使用
適用
リスク
概要
《牽制攻撃》時、「強度」点以下のHPとなった敵を昏倒
効果

 この秘伝の効果は、あらかじめ〈薬溝加工〉を行った武器に〈妖精の誘い〉を仕込み、その武器で《牽制攻撃》またはその変化型秘伝を宣言して攻撃を行ったときにのみ現れます。
 攻撃が命中し、その攻撃によるダメージの結果、対象のHPが「仕込んでいた〈妖精の誘い〉の強度」点と同じか、それより小さくなった場合、対象は即座に昏倒します。この効果は「抵抗:必中」です。
 この効果への対抗や解除においては、毒属性、精神効果属性に対してのいずれもが有効です。片方の属性でも無効化できるならば効果を受けませんし、倒した状態から意識を取り戻させる場合、【キュア・ポイズン】と【アウェイクン】、両方の魔法が有効です(もちろん、同様の効果を与えるアイテムなどもすべて有効です)。解除において、達成値の比べあいは行われません。
 この秘伝の効果が現れる攻撃が命中を与えた場合、相手を昏倒させたかどうかにかかわらず、仕込んでいた〈妖精の誘い〉の強度が「2」点、そのたびに減少します。それだけ相手を昏倒させられるHPは低くなり、「0」点になれば、もはや効果は発生しません。
〈妖精の誘い〉を仕込み直した場合、本来の強度に戻ります。このとき、何点の強度が残っていようと考慮しません。

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