【ギルヴァン流愚人剣】
(フェイダン地方)- 入門条件
- 50名誉点
【ギルヴァン流愚人剣】は、〈ガン〉の隆盛と、長い平和により、戦場の技としてではなく競技としての剣術が盛んであった魔動機文明時代末期に、“剣聖”とも“愚者”とも呼ばれたゴッドリード・ギルヴァンが編み出した剣術です。
隙を見せるどころではなく、敵の眼前に急所を晒して、動揺や逡巡を誘い、生まれた一瞬の隙を突いて雷光の如き一閃で敵を仕留める捨て身の剣。それがギルヴァンの至った剣の奥義でした。
「しょせんは命が保障された競技剣術だからできる、実戦では使えぬ愚者の剣術だ」と馬鹿にされ続けました。もっとも、それらの声に対し、ギルヴァンは「なるほど我が剣は患者の剣よな」と、飄々とした顔で自らの流派を【愚人剣】と名づけたというのですから、相当な変人だったのでしょう。
ギルヴァン流の評価が変わったのは、〈大破局〉における蛮族の侵攻に際してでした。故郷であるリオス地方を守るため、ギルヴァンは少数の弟子とともに蛮族軍と戦い、数々の武功をたてました。最後には逃げ遅れた母子を庇い、全身を無数の矢や槍で貫かれながらも、ブラッドトロール相手に一歩も引かず守りきった末に果てたと伝えられています。
生き残ったギルヴァンの弟子によって、現在も【ギルヴァン流愚人剣】は伝えられています。今では、英雄的な最期を遂げた開祖の物語のおかげもあり、リオスでは比較的よく知られている流派です。ただし、敢えて身を危険に晒すその戦法から、極めるまで修める者はあまり多くありません。
流派装備
【ギルヴァン流愚人剣】には、陶土を高温で焼結した、特殊な短剣〈ギルヴァングラディウス〉(⇒PH32頁)が伝わっています。
これは本来、試合の際に使用し、防具で覆われた急所へ的確に命中させることで割れ砕け、致命傷を与えたという判定をするためのものでした。しかし愚人剣ではこの試合用の短剣を用いることで敵を欺き、油断させ、致命の一撃を繰り出すことを得意としています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈ギルヴァングラディウス〉![]() | 8/11 | 〈ソード〉A | 960 +30名誉点 | クリティカルしやすいが、扱いに注意 |
秘伝
《愚剣》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の武器攻撃
- リスク
- 被物理ダメージ+2
- 概要
- 命中力+1、被物理ダメージ+2
- 効果
敵に敢えて隙を見せ、相手がそれに意識を割いた間隙を縫って攻撃します。
命中力に+1します。ですが、隙を見せている以上反撃をくらえば通常よりも痛手を負ってしまいます。秘伝の使用者が、自身の次の手番までに物理ダメージを受けることがあった場合、それは+2点されます。
《愚拳理剣》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅱ》変化型
- 前提
- 《愚剣》
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の武器攻撃
- リスク
- 被物理ダメージ+4
- 概要
- 命中力+2、被物理ダメージ+4
- 効果
敵に対して急所を晒し、それによって発生する戸惑いの隙を突く、攻撃箇所を誘導することによって動きを読みやすくするなどして、命中力を+2します。
急所を晒す以上、反撃をくらえば痛手を負うのは必至の、捨て身の剣です。秘伝の使用者が、自身の次の手番までに物理ダメージを受けることがあった場合、それは+4点されます。
《愚究極剣》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅲ》変化型
- 前提
- 《愚拳理剣》
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の武器攻撃
- リスク
- 被物理ダメージ+6
- 概要
- 命中力+3、被物理ダメージ+6
- 効果
相手を迎え入れるかのように両手を大きく左右に開いた構えから放たれる、ギルヴァン流の奥義です。完全に勝負を放棄したように見えるこの構えにて相手を翻弄し、確実に隙を突くのです。
命中力を+3します。しかし、急所を無防備に晒しており、敵の攻撃を避けられなければ相当な痛手を負います。秘伝の使用者が、自身の次の手番までに物理ダメージを受けることがあった場合、それは+6点されます。