ゼアネモチャンピオン
- 知能
- 高い
- 知覚
- 五感(暗視)
- 反応
- 敵対的
- 穢れ
- 4
- 言語
- 汎用蛮族語、エルフ語、妖魔語
- 生息地
- 海
- 知名度/弱点値
- 20/22
- 弱点
- 炎属性ダメージ+3点
- 先制値
- 20
- 移動速度
- 20(四足)/25(水中)
- 生命抵抗力
- 13 (20)
- 精神抵抗力
- 13 (20)
攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
---|---|---|---|---|---|---|
武器(本体) | 13 (20) | 2d+11 | 13 (20) | 8 | 89 | 58 |
顎(蜥蜴) | 12 (19) | 2d+15 | 12 (19) | 8 | 95 | 18 |
- 部位数
- 2(本体/蜥蜴)
- コア部位
- 本体
特殊能力
●全身
[常]水中適性
[主]トランプル
「射程/形状:1(25m)/突破」で、対象に近接攻撃を行います。近接攻撃は、この魔物の任意の部位のものを用います。
この能力を使用したらすべての部位が主動作を完了します。
この能力は[部位:蜥蜴]のHPが「0」以下となると使用できません。
●本体
[主]妖精魔法10レベル/魔力13(20)
使用する属性は「土」「水・氷」「光」「闇」です。
契約パターン(⇒『MA』128頁)を採用している場合でも変わりません。
[常][宣][主]魔法適性
戦闘特技《マルチアクション》《ターゲッティング》《魔法収束》《魔法制御》《鷹の目》《魔法拡大すべて》《ワードブレイク》を習得しています。
[宣]魔力撃=+13ダメージ
打撃点を+13点します。リスクとして、自身の生命・精神抵抗力判定に-2のペナルティ修正を受けます。
[宣]薙ぎ払いⅡ
近接攻撃可能なキャラクターを任意に5体まで選び、それらに近接攻撃を行います。
[主]絡む毒触手/14(21)/回避力/消滅
この能力は、1回の手番に1回だけ、主動作の直前にのみ使用できます。
「射程:接触」で「対象:1体」に右目の触手を絡ませます。対象が回避力判定に失敗した場合、次の2つの影響が発生します。
・直後にこの魔物が対象に対して近接攻撃を行った場合、対象が対抗して行う回避力判定に―2のペナルティ修正を与えます。この効果は、その1回の回避力判定にのみ適用されます(近接攻撃後に触手を自動的に放すため)。
・対象は、目標値19の生命抵抗力判定を行わねばならず、失敗したら、続く1分(6ラウンド)の間、軽い麻痺に陥り、命中力判定に-1のペナルティ修正を受けます。
この効果は毒属性であり、累積しません。
[常]右目の奥
「[補]絡む毒触手」の対象となったキャラクターは、(それに対する回避力判定の成否にかかわらず)直後の自身の手番、この魔物の[部位:本体]に対して武器攻撃を行うとき、「右目を狙う」ことを宣言できます。宣言が行われた攻撃が命中した場合、発生する物理ダメージ、魔法ダメージは「+4」点されます。
ただし、この行動が行われ、一度でもダメージの増加が実際に発生した場合、その個体からは戦利品〈奇海の黒瞳〉は得られなくなります。
●蜥蜴
[常]高所からの攻撃
[部位:本体]の打撃点を+2点します。
[部位:蜥蜴]のHPが0以下となった場合、この能力は失われます。
[常]攻撃障害=+2・なし
大きさが攻撃を妨げます。
[部位:本体]は、近接攻撃に対する回避力判定に+2のボーナス修正を得ます。
[部位:蜥蜴]のHPが0以下となった場合、この効果は失われます。
[宣]テイルスイープ
近接攻撃可能なキャラクターを任意に3体まで選び、それらに尻尾での攻撃を行います。命中力と打撃点は、額による攻撃と同じです。
この能力は連続した手番には使えません。
戦利品
- 自動
- 奇海の黒瞳(1600G/赤S)
- 2~8
- 海真珠(200G/金赤A)
- 9~
- 銀真珠(3000G/金赤S)
解説
BL108
海に棲む蛮族ゼアネモ(⇒『BL』112頁)の中でも極めて高い武器戦闘と魔法、騎乗の能力を持つ天才です。グランドコーストリザード(⇒『BL』117頁)を乗りこなし、騎上から武器と魔法とで破壊を撒き散らします。
自らや騎獣が立てなくなるまでの負傷でも負わない限り、騎乗を維持し続けるほどの高い技量を誇っています。
外見的特徵
外見は一般的なゼアネモから逸脱するものではありません。エルフに似た姿をしており、右目に触手を備えています。体格に恵まれており、並べば一回り大きなことがわかります。存在感は随一で、ゼアネモの集団の中にいれば、一目で特別な存在であることを直感できます。
ですが、大きなグランドコーストリザードに騎乗しているために、単独で遭遇した場合には、その点には気づきにくいかもしれません。
生態/生息域
多くの場合において、ゼアネモチャンピオンは最強の王としてゼアネモたちを統率します。複数の集団をまとめ上げ、何千という単位にまで膨れあがった共同体を成立させ、君臨していることもあります。これは、人族にとって潜在的に非常に危険な存在です。
救いがあるとすれば、このタイプのゼアネモチャンピオンがかなりの慎重派であることです。何千という生命を背負っていることを自覚しているので、負ける戦を好んで仕掛けてくることがありません。人族に対して戦いを挑む場合には、必ず事前の偵察を挟みます。人族側の戦力や態勢を掴み、自軍戦力と比較してどこまでを求めるかを決めてから動きます。集落に対して一回の襲撃で取れるだけの戦利品を奪って退却するのか、種族的に嫌悪するエルフどもをきっちり全滅させるのか……こうした戦略的ゴールは、戦いに挑む前に決定しています。戦局に思わぬ計算違いがあれば、予定変更もありますが、それを不本意と感じるタイプです。
こうしたチャンピオンに戦争を挑まれる状況は、かなり深刻と考えてよいでしょうが、逆に言えば、いきなり大きな襲撃が発生することはないとも言えます。もし、下級のゼアネモの目撃例が頻発するようなことがあれば、それは、チャンピオンによる指示での斥候かも知れません。そうした先兵たちの活動を先んじて潰していけば、その背後にいるチャンピオンは、深入りを厭い、手を引くこととなるでしょう。
ゼアネモチャンピオンの多くは、このように王として振る舞いますが、一部には孤高に流れる者が存在します。集団を率いることを面倒くさがり、個人として実力を誇示することと殺傷行為そのものを楽しむタイプで、短絡的な行動を取りたがります。危険の顕在度という点では、こちらのほうが上回ります。冒険者が向き合って対処することになるのは、このタイプのほうが多くなるでしょう。
こちらのタイプのチャンピオンは個体で、もしくは、少数の取り巻きを連れて、人族に対しての襲撃を行います。海上を運行する船舶や、海浜に近い集落などが、その目標となります。極めて攻撃的で残忍であり、生存者を残そうとしません。長時間、水を離れてはいられないという制約ゆえに、被害の発生場所が比較的狭い場所に集中したり、経時的な移動が見て取れたりすることが多くなるのが特徴です。
戦い方/危険度
王として君臨するタイプのチャンピオンは、多数の配下を従えており、その奥に控えます。可能な限り前線には立たず、後方から妖精魔法による支援や回復を中心に立ち回ります。攻撃は配下に任せて自身はなるべくMPを温存し、継戦能力を重視します。自分の生存を最優先に考えており、状況が許せば逃亡を試みることもあります。
孤高を選んだ戦闘狂タイプのチャンピオンは、自ら先頭に立って切り込んできます。可能ならば、「[主]トランプル」を試みます。乱戦に入ったら、まず[部位:本体]が「[補]絡む毒触手」を試み、その後に「[宣]マルチアクション」「[宣]魔力撃」「[宣]薙ぎ払いⅡ」から、最良と思う一手を選んできます。
[部位:蜥蜴]は、「[宣テイルスイープ」が可能な手番には、遠慮せず実行します。
「[常]複数宣言」の能力を持たないことと、使用する妖精魔法の属性に「炎」がないことから、極度に苛烈な攻撃能力は持ち合わせていませんが、安定したダメージ生産力を持っています。この魔物に対抗する場合には、防御と回復を丁寧に考えていきたいところです。
過去の事件
過去、マカジャハット王国において、思わぬ場所でゼアネモチャンピオンによる被害が発生したことがあります。それは内陸にあるいくつかの小村においてでした。これらの村が、一夜にして攻め滅ぼされるという事件が相次いだのです。被害者の受けていた傷は、ほとんどは武器による深い刺し傷で、稀に動物に食いちぎられたかのようなものが交じっていました。足跡も靴によるものと大型の爬虫類によるものが交じり、特異な集団による襲撃と結論づけられました。蛮族か、ひょっとしたら、他国からの工作部隊か、憶測は憶測を呼びましたが、結論はつけられませんでした。
軍が派遣され、冒険者の応援も頼んで、村々に警護の人員が送られましたが、散らばる小村を守り切れるほどではありませんでした。そして、通算で四回目の被害が発生し、初めて生存者が残ったときに、王国は相手の正体にようやく気づきます。
襲撃者は川から現れ、村を破壊し尽くした後に、川へ戻っていったのです。その経路と、そして活動していた時間の短さから、王国の学者はそれをゼアネモであると結論づけました。彼らを海の蛮族と決めつけていた不明を恥じると学者はうなだれました。陸部を広く守ろうとして警護を分散してしまったのは、痛恨の失策でした。王国は川沿いに注力して守るべきだったのです。
【銛王ナイネルガの伝承】一派(⇒『BL』22頁)にも応援を要請し、川を遡上してくること前提に王国は防衛網を敷き直しました。そして、多大な犠牲を払いながらもゼアネモチャンピオンを討ち、ようやく平和を得ることができました。