ゆとシート for SW2.5

ヴォークストレイタークイーン - ゆとシート for SW2.5
9

ヴォークストレイタークイーン

分類:魔動機
知能
高い
知覚
機械
反応
敵対的
言語
魔動機文明語
生息地
遺跡
知名度/弱点値
15/18
弱点
物理ダメージ+2点
先制値
15
移動速度
15(多足)/
生命抵抗力
12 (19)
精神抵抗力
11 (18)
攻撃方法(部位) 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
銃身 11 (18) 2d+9 10 (17) 9 85

特殊能力

[常]鉄の身体

 刃武器から、クリティカルを受けません。

[常]2回攻撃&双撃

 両手に持った武器でそれぞれ1回ずつの攻撃(「[主]銃撃」を含む)を行います。
 1回目の攻撃の結果を確認してから、2回目の攻撃を、同じ対象にさらに行うか、別の対象を選んで行うかを選ぶことができます。

[主]魔動機術再現9レベル/魔力12(19)

 9レベルまでの魔動機術を魔力12で行使します。このとき、MPは使わず、魔法にかかわらず、自身のHPを「1」点だけ消費します。
【グレネード】【パイルシューター】は行使できません。

[常]ターゲッティング

 遠隔攻撃や「形状:射撃」の魔法行使や効果の使用において、誤射を起こしません。

[主]銃撃/12(19)/回避力/消滅

 以下のデータの〈ガン〉で射撃攻撃を行います(名称、必要筋力などは省略しています)。

用法最大装填数命中C値追加D射程
1H32(20m)
[常]修復再生

 手番開始時に、この魔物のHPが「40」点以下であった場合、GMは1dを振ります。
 出目が「1」の場合、「[常]修復能力暴走」の効果が発生します。
 出目が「2~6」の場合、HPが「20」点回復します。

[常]修復能力暴走

 この効果は、「[常]修復再生」の効果が発生し、かつ、そのときの出目が「1」であったときに自動的に発生します。
 この魔物の、命中力及び「銃撃」の達成値が+2され、打撃点及び魔力が「2」点上昇します。
 以降、この魔物は「[常]修復再生」の能力を失います。

[補]ヴォークスの支配/必中

「射程/形状:2(30m)/起点指定」で、1体のヴォークス(クイーン種、エンプレスを除く)を自らの支配下に置きます。
 この能力を受けたヴォークスは、即座にこの魔物の陣営となり、この魔物の手番直後から、行動します。この能力によって支配されたヴォークスは、あらゆる行動判定において、+2のボーナス修正を受けます。
 この能力によって同時に支配下においておけるヴォークスは、3体までに限られます(能力自体は補助動作であり、手番に何度でも使用できます)。
 この能力によって支配されていたヴォークスも、HPが「0」となれば「[常]緊急信号」を発します。しかし、それで現れたヴォークスは、現れた直後はこの魔物の支配下にはなく、むしろ、この魔物に積極的に敵対します。GMは、この魔物に対する敵対側陣営のキャラクターとして行動させます。PC陣営の一部とした場合、行動順はプレイヤーが決めることができます(行動内容は、GMの管轄です)。なお、「[常]緊急信号」の効果は、他のヴォークスが全滅し、トレイタークイーンのみが生きている状態でも継続します。それは「[常]緊急信号」を発したときに、ヴォークスがどの陣営にあったとしても変わりません。
《かばう》を宣言していたヴォークス・ガードが、この能力によって陣営が変わった場合、その《かばう》の効果は即座に消滅します。

戦利品

自動
壊れた魔動部品(50G/黒B)
2~5
魔動部品(300G/黒白A)
6~8
稀少な魔動部品(900G/黒白A)
9~
未知の魔動部品(2400G/黒白S)

解説

BL110
 魔動死骸区に出没するヴォークス(⇒『BL』123頁)の一種であるトレイタークイーンは、何らかの不具合が起こってヴォークスたちの「ネットワーク」から切り離され、独自に動くようになったものです。一般的なクイーン種を頭一つ上回る能力を持っています。クイーンとしての統率能力を一部残しており、少数のヴォークスを裏切らせ、自身に仕えさせることができます。

外見的特徵

 トレイタークイーンの外見は、一般的なヴォークス・クイーンと大きくは変わりません。下半身はダンゴムシのようで、上半身は外殻を背負った人間の女性のような姿です。異なるのは外殻の色の付き方です。茶色と灰色が混じり合っているのは同様ですが、一般的なクイーンのそれが規則性を持っているのに対し、トレイタークイーンは、まだらでムラが多いものとなっています。

生態/生息域

 トレイタークイーンは、ほとんどのケースで自身の能力で制御下に置いたヴォークスを引き連れています。概ね、1体のガードと2体のソルジャーが選ばれているようです。
 その状態で、魔動死骸区をうろつき回っています。自身が新たなエンプレスとなる方法を探し、自分を強化していく実験を繰り返しており、そのために、出会ったものに積極的に襲いかかり、自らを試し、データを集めていると言われています。その真偽はともかく、これが死骸区における、大きな危険の一つであることに変わりはありません。
 ヴォークスたちからは裏切り者として狙われています。

戦い方/危険度

 配下のガードやソルジャーに前線を任せながら、後方から【レーザー・バレット】による銃撃を行うのが基本戦術です。このとき、【ターゲットサイト】も必ず使用します。必要とあれば、【オートガード】なども行使します。何であってもHP「1」点のみの消費で行使できるのですから、魔動機術は積極的に用います。
前線に立てたヴォークスが倒れた場合、その「[常]緊急信号」で現れたものを即座に「[補]ヴォークスの支配」で新たな配下にしようとします。可能な限り支配可能な最大数(3)の維持を目指します。

過去の事件

 魔動死骸区は、大きな事故や事件の報告に事欠かない場所です。内側からは、制御を失った魔動機術の産物が噴き出し、
外側からは食い詰めた犯罪者崩れが流れ着いてきます。
 あるトレイタークイーンが引き起こした惨劇も、そうした魔動死骸区での日常の一つだったかもしれません。
 その一家は、魔動死骸区で、内に内にと居場所を求めて移動していました。実際に血縁のある者どうしはごく一部という集団でしたが、互いに身を寄せ合い、かばい合いながら、生活の役割を分担するという意味では、「ファミリー」を名乗っておかしくはなかったでしょう。上は五十代から、下は十歳足らずの少年まで、十人ほどの集団でした。
 魔動死骸区で人のいない場所には、それだけの理由がある。そのことは、彼ら一家も重々承知していました。ですが、知識や技術、力のない者はただ奪われるという魔動死骸区の思想もまた、彼らには辛いだけのものでした。人の多い場所にいることそのものが、彼らにはリスクだったのです。接触を避けつつ、奥へと入り込み、その過程で何らかの魔動機械の部品や残骸でも拾えれば、何とか糊口を凌ぐことができる。それが彼らの日々となっていました。
 しかし、魔動死骸区はいつまでも彼らにお目こぼしを与えてはいませんでした。彼らは、ヴォークスの集団に遭遇してしまいます。そして、ヴォークスたちは容赦なく一家に襲いかかってきました。
 そこに現れたのが、一機のトレイタークイーンでした。彼女はヴォークスの一部を自分の制御下に取り込むと、残りを排除し、一家を救ったのです。何が起こったのか理解できぬままの一家に、トレイタークイーンは自分に付いてくるよう促します。
 その先で実際に何が起こったかは詳しくはわかっていません。ただ、力なき者はただ奪われるという魔動死骸区のルー
ルから、一家が結局逃れられなかったことだけは、間違いのないことです。
 後日、魔動死骸区を探索していた、とある冒険者グループが、彼らの行く末に遭遇することになります。その部屋には、多数のヴォークスの残骸が転がっており、その中に、トレイタークイーンと判別できるものもありました。ヴォークスどうしの大きな戦いがあり、互いに破壊し合って終わったのでしょう。
 そして部屋には多くの人間の遺体と、唯一の生存者が残されていました。得体の知れない魔動機に手足を接続された状態で発見され、冒険者たちに救出されたそのただ一人は、自分の身の上を語ることはできましたが、その部屋で起こったこと、自分に何が起こったかに関しては何も思い出せませんでした。
 あまりの辛さに記憶を閉ざしてしまったのだろうと、冒険者たちは推測するしかありませんでした。トレイタークイーンの目的と行為が何であったにせよ、それはやはり人道とはかけ離れたものであったのでしょう。

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