オクトラディクス
- 知能
- なし
- 知覚
- 魔法
- 反応
- 敵対的
- 言語
- なし
- 生息地
- 森林、湿地
- 知名度/弱点値
- 16/20
- 弱点
- 炎属性ダメージ+3点
- 先制値
- 15
- 移動速度
- 16(多足)/―
- 生命抵抗力
- 12 (19)
- 精神抵抗力
- 10 (17)
攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
---|---|---|---|---|---|---|
なし(本体) | ― | ― | 9 (16) | 8 | 82 | 19 |
根(根)×4 | 11 (18) | 2d+10 | 10 (17) | 9 | 66 | 16 |
- 部位数
- 2(本体/根×4)
- コア部位
- 本体
特殊能力
●全身
[常]毒無効、精神効果無効
[常]発見困難/17/危険感知/消滅
見づらい身体で潜み、機会を待っています。この魔物から10m以内に近づいた場合、目標値17の危険感知判定に失敗したら、不意打ちを受けます。
●本体
[主]麻痺毒の花粉/10(17)/生命抵抗力/消滅
「射程:自身」で「対象:1エリア(半径5m)/15」に毒の花粉を撒き散らします。生命抵抗力判定に失敗した対象は、30秒(3ラウンド)の間、回避力判定に「-2」のペナルティ修正を受けます。この効果は毒属性であり、累積しません。
この効果は連続した手番には使用できません。
●根
[宣]薙ぎ払いⅡ
近接攻撃可能なキャラクターを任意に5体まで選び、それらに近接攻撃を行います。
[宣]毒根連打
1体に対して、連続して2回の近接攻撃を行います。
この効果を宣言した攻撃が命中したら、その1回ごと、追加で「3」点の毒属性の魔法ダメージを対象に与えます。
[常]強再生=8点
手番の終了時に、HPが「8」点、回復します。HPが0以下でもこの能力は失われず、それによってHPがプラスになれば、次の手番から行動可能となります。
[部位:本体](コア部位)のHPが0以下になれば、この効果は失われます。
[常]攻撃障害=+4・なし
うねる根が攻撃を妨げます。
[部位:本体]は、近接攻撃に対する回避力判定に+4のボーナス修正を得ます。
2つ以上の[部位:根]のHPが0以下の場合、この効果は発生しません。
戦利品
- 自動
- 毒々しい花(500G/緑A)
- 2~9
- 危険な根(300G/緑A)
- 10~
- 剣呑な根(1500G/緑S)
解説
UR112
オクトラディクスは、タコを思わせる8本の触手のような根を持つ、ウルシラ地方の森林奥地に見られる植物です。
オクトラディクスは、その巨体を保つ栄養のために、他の植物や動物の死骸を吸収します。植物よりも動物の方が栄養価が高いことと、森の木々を倒し続けると隠れる場所がなくなってしまうためか、生きた動物を見かけると積極的に襲う性質を持っています。
8本の長くうねる根は、「移動するための脚」と「攻撃するための腕」という、2つの役割を持ちます。根の先端からは毒がしみ出しており、触れた動物を弱らせます。
外見的特徵
オクトラディクスは、直径3m程度の球体に、長さ8~10mほどのタコの触手を思わせる太い8本の根が生えた姿をしています。球体から生える8本の根は2本ずつ並んで生えており、うねるようにして連動して動きます。根とはいうものの、枝分かれや毛根がないため、すぐにオクトラディクスを植物と判別できない者もいるでしょう。
本体である球体には70~80cm程度の穴が空いており、この穴の近辺から栄養源とする植物や動物を吸収します。
穴の反対面には、直径50~60cm程度の黄色い半球状の花を付けています。その中央部には濃い茶色の円があり、遠目には巨大な目があるようにも見えます。
オクトラディクスは、もともとの色は赤味がかった茶色ですが、周囲に合わせて体色を変えることができ、暗くくすんではいるものの青や紫系統以外の多くの色を再現することで、森の中にその巨体を隠すことができます。
生態/生息域
オクトラディクスが好むのは、ウルシラ地方の中でも湿度が高めの森林部の奥深くです。こうした森は獲物にできる動植物の個体数が多く、気温や湿度などの環境変化が穏やかであることが、生息に影響しているようです。
オクトラディクスは植物ではありますが、体内で栄養素を生成できず、他の生物を身体に吸収することで生きているめ、生存のために日光や特定の土壌などを必要としません。そのため、獲物となる生物がいるならば、洞窟や坑道などにも入り込むことがあります。
餌を食いつくさないための性質なのか、オクトラディクスは特定の縄張りを持たず、日々移動しながら獲物を探す性質があります。根が8本ある状態ならば人族と同程度の移動能力を有し、そして人族と同様に長距離移動を得意とするため、森の中を広範囲に徘徊するオクトラディクスの所在を掴むのには、手間取る場合もあるでしょう。
なお、オクトラディクスは生長過程でウルシラ地方にしか存在しない特定の毒キノコを摂取していると言われており、他の地方では生息できないのだと言われています。
戦い方/危険度
前述のとおり、特定の縄張りをもたないオクトラディクスですが、その狩りの方法は基本的にシンプルで、体色を周囲に溶け込ませての不意打ちを狙うことから始まります。
獲物に近づいたときに最初に行うのは、巨大な目のように見える花から、毒の花粉を広範囲に放出することです。花粉の毒は動物の足腰を麻痺させる性質を持っており、移動の速くないオクトラディクスから逃げづらく、そしてその後の根による攻撃を当てやすくします。
花粉の毒で獲物を鈍らせた後は、その8本の根を鞭や棍棒のように使って相手を叩きのめします。根の先端からは毒がしみ出しており、触れた獲物の体力を削ぐ効果を持っています。
オクトラディクスは根を薙ぎ払うことで広範囲を攻撃できるため、群れる動物をまとめて狩ることもできます。このため人族や蛮族の一般兵士が複数人で取り囲んでも、被害が広がるばかりでしょう。
また、オクトラディクスの根は強い再生能力を持っており、完全に切断しても短期間で再生すると言われています。
過去の事件
あるとき、エユトルゴ騎兵国の南端にある森の近くの放牧地で、長雨と霧の日が続きました。そして連日、放牧している家畜が次々と姿を消し、その数が10頭を超える事件が発生します。家畜は前日の発生場所から20~30km離れた地域で姿を消すこともあり、大掛かりな、森を拠点とした家畜窃盗団がいるのではないかという噂が流れます。
そこで騎兵隊が派遣され、辺りの調査を行いますが、窃盗団がいたような形跡は見つかりません。数日後、放牧を行っていた牧夫たちが、姿を消した家畜の死骸の一部と、周辺の草原を複数の大蛇が這い回ったような跡を発見します。そして騎兵隊数騎が、その這いずるものの形跡を追って森の中へ入って行きましたが、帰ってきませんでした。
そして名誉を傷つけられた騎兵隊の隊長が、森の中に何者かが匿われているのではないかと近隣にある森の中のメリアの集落へと押しかけます。しかしメリアたちにそのような心当たりはなく、代わりに森に棲まうオクトラディクスという魔物の仕業であろうことを、騎兵隊に伝えます。
メリアたちは、雨季を過ぎればオクトラディクスが草原に姿を現すことはなくなるだろうと予測します。しかしそれまでに甚大な被害を受けた草原の民の騎兵隊は、汚名返上のため、精鋭を集めてオクトラディクスへの弔い合戦を敢行すると決めました。この戦いには、メリアの集落からも腕に覚えのある者たちが参戦します。さらに森の中での数日の捜索の後、オクトラディクスは総勢20名以上の精鋭たちによって、討伐されました。この戦いでも、馬数頭と数名の騎兵隊員の犠牲が出たと記録されています。