解説

〈不浄の核〉は、アンデッドを生成する操霊魔法の研究時に偶発的に作られたもので、周囲の小さな生命を奪い、自らを中心にその死骸を集めて動き出す、おぞましい力を持つものです。
それがうっかりと放棄され、街の地下水道に潜ってしまい、そこに巣くう鼠たちを呼び寄せ、殺し、そしてその死骸を集めて球状に膨れあがったのが、このマイスボールです。
ある程度の大きさに成長すると、〈不浄の核〉は分裂し、小さな2つのマイスボールを作ると、それぞれにまた、鼠を集めて殺し、膨れあがっていきます。そのため、いまや地下水道には、それなりの数が蠢いていると推測されています。また、そこから逃げ出して、他の場所にまで被害を広げているとも言われています。地下水道から逃げ出し、森に入れば森の小動物たちを集めて別種の「ボール」を作っていることでしょう。
〈不浄の核〉の漏失は、一般には隠蔽されていますが、知る人ぞ知るハールーン魔術研究王国魔法学園の不祥事です。学園は、〈不浄の核〉の回収に熱心であり、〈核やそれを破壊した〈核のかけら〉に賞金を懸けています。