アルボルイモレーター
- 知能
- 人間並み
- 知覚
- 五感
- 反応
- 敵対的
- 穢れ
- 2
- 言語
- 交易共通語、地方語、汎用蛮族語、ドレイク語、妖精語
- 生息地
- 森林
- 知名度/弱点値
- 19/22
- 弱点
- 炎属性ダメージ+3点
- 先制値
- 19
- 移動速度
- 20/―
- 生命抵抗力
- 14 (21)
- 精神抵抗力
- 14 (21)
攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
---|---|---|---|---|---|---|
武器 | 14 (21) | 2d+12 | 12 (19) | 8 | 96 | 77 |
特殊能力
[主]妖精魔法11レベル/魔力14(21)
使用する属性は「土」「炎」「風」「闇」です。
契約パターン(⇒『MA』128頁)を採用している場合、「土」「炎」「闇」の3系統選択(14ランク)とします。
[主]森羅魔法5レベル/魔力8(15)
[常]変装/14(21)
人族の姿に巧みに変装することができます。真偽判定や異常感知判定で見破られたり、感づかれたりする可能性があります。
[主]弓
「射程2(20m)」で弓による射撃攻撃を行います。命中力と打撃点は通常の攻撃と同じです。
[補]憤激せし炎の武器/任意
この効果を使用するにはMPを「8」点消費します。
怒りの炎を武器に纏わせます。
「射程:自身」で「対象:1エリア(半径3m)/5」に炎の力を与えます。対象の行う武器攻撃を炎属性の魔法の武器によるものとして扱い、発生させる物理ダメージを+2点します。この効果は3分間持続します。また、対象となるキャラクターを任意に指定することが可能です。
この効果は操霊魔法【ファイア・ウェポン】のと同じものとして扱われ、それぞれ重複・累積しません。
[補]妖精狂化/必中
自身が呼び出した炎の妖精を凶暴化させます。
「射程/形状:2(30m)/起点指定」「対象:1体」で、炎属性の妖精または炎属性を一部に含む古代種妖精を指定します。それが、この魔物自身が【サモンフェアリー(ローマ数字の有無と種類を問わない)】によって召喚したものであった場合、妖精の行うあらゆる行動判定や特殊効果の達成値に+1し、それが発生させる物理ダメージ、魔法ダメージをすべて+2点します。
ただし、その妖精は、召喚者であるこの魔物の指示に従わず、自身で行動を選択するようになります。かつ、攻撃や特殊効果の対象を無差別に決定します。
このとき、召喚者であるこの魔物が不利益な効果やダメージを受ける可能性のある攻撃や特殊効果を使用することだけはありません。
この効果は妖精が存在する限り持続し、この効果を使用したものにも解除できません。
戦利品
- 自動
- 禍々しい木目の枝(130G/金緑A)×1d
- 自動
- 高位の徽章(260G/金白A)
- 2~7
- 炎の残滓(900G/金A)
- 8~
- 怨嗟の残滓(2400G/金S)
解説
UR110
狂焔の一族は、ウルシラ地方の森林に点在する隠れ里に住むアルボルの部族です。通常のアルボルがドワーフに向ける憎悪を人族全体に拡大し、それらに復讐を遂行するためならば己ごと森を焦土と化すことを厭わない狂信にも似た苛烈さで知られています。
一族の民はおしなべて優秀な野伏や密偵であり、弓矢やイフをよく使います。また、みなが妖精魔法を一定の水準で習得しており、森羅魔法の心得がある者も少なくありません。しかし、何よりも恐ろしいのは彼らが炎の妖精を“狂わせる”秘術を伝えており、それを利用して召喚した妖精を暴れさせるという破壊行為を好んで行うことでしょう。
このため、ウルシラ地方の森林地帯に住む人々にとって狂焔の一族は恐怖の代名詞であり、その出現は自然災害にも近い扱いをされることすらあります。
ここにデータを紹介しているアルボルイモレーターは、一つの隠れ里を統括する、一族の中でも最上級の力を持つ存在です。
外見的特徵
一般的なアルボル同様、狂焔の一族も雪のように白い肌と、額や全身に目を意匠化した刺青のような模様を持ちます。違いはその“目”の瞳が赤く染められ、ゆらめく炎のように見えることです。もっとも、これは生まれた時から成長に合わせて定期的に施される刺青によるもので、生まれついての特徴ではありません。このため、もし一族の生まれでも、刺青を入れずに育った場合は通常のアルボルと何ら変わりない姿に成長します。
服装は草木染の地味な色合いの布を使った簡素なものが一般的です。特に、一族の集落の外に出て活動する者は森の風景に溶け込むことのできるよう茶色や深緑の布でなるべく全身を覆うのが一般的です。
また、一族の象徴たる燃える瞳を模した意匠の首飾りやピンなどをつけていることが多いです。
生態生息域
狂焔の一族は深い森の奥に小規模な隠れ里を築いて生活しています。こうした隠れ里はアヴァルフやセプレイなどウルシラ地方の森林地域に点在していますが、正確な位置や数を知る者はいません。とはいえ、多くとも数百程度であろうと考えられています。
隠れ里にはそれぞれ長がおり、絶対的な権力を保持しています。その下は上級、中級、下級の密偵に分かれており、原則として上の級には絶対服従です。
一族の子は物心がついたころから人族への恨みを叩き込まれ、復讐のために命を捨てることすら厭わぬよう育てられます。一定の年齢に達した者は森の奥で裸で放置され、無事生き延びた者のみが一族の真の一員として認められ、密偵や戦闘の技術を教えられることになります。
一定の技を修めた者は、上級者の命で近隣の蛮族に密偵として貸し出されるか、人族の社会への潜入任務に就くことになります。そこで息をひそめながら、一族の戦士たちは人族の社会を燃やし尽くす日を夢見るのです。
戦い方/危険度
狂焔の一族は弓術とナイフによる超近接戦闘の技を幼少期より重点的に教え込まれます。妖精魔法もまた必修とされており、才能がある者は更に森羅魔法を学びます。
一族に伝わる妖精魔法は一般のものと違い、妖精と仲良くなって契約し、その力を“借りる”ものではなく、力尽くで“縛り”、“強制”する形をとります。炎属性と土属性に特化しているところは通常のアルボルと同様ですが、より炎属性に偏っているところがあります。
また、一族に伝わる秘術を使い、炎の妖精を“狂わす”ことが可能です。“狂った”炎の妖精は(召喚されていた場合)召喚者の支配を離れ、退治されるまでひたすら周囲に炎をまき散らすようになります。唯一、秘術をかけた者には攻撃を行いません(これは秘術によって妖精に術者に対する恐怖をすり込むからだと推測されています)が、周囲が燃え始めれば当然炎を弱点とするアルボルである一族の者も無事ではすみません。しかし、狂焔の一族はそのようなこと、人族への復讐の前には些事として気にしません。
ある意味においては、この命を投げ捨てて一顧だにせぬ狂気こそが、一族最大の武器と言ってもいいかもしれません。その命を燃やし、人族に最大限の恐怖と死を与えることが目的である以上、そこに保身という考えはありません。大目的が止められそうならば、その場で最大限の被害をまき散らすだけです。
密偵としての技術や、人族の社会に潜入する演技力や特殊な白粉を使った変装術も、全てはもっとも効果的な場所を見出し、そこに最大限の恐怖をまき散らすためです。
幼少期からの洗脳教育により、一族の者がその目的に疑問を覚えることはありません。「森を焼かれた復讐に森を焼く」という矛盾を訴えることすら無意味です。
「人族の手が入った森は汚染されている」
「すべて燃やしつくし、その灰から新たなる純粋な“森”が生まれる。そのためならこの命すら焚べよう」
陶酔した笑みを浮かべながら、そう返すことでしょう。
過去の事件
かつてわずか数名の狂焔の一族が、連邦会議に合わせて妖精郷アヴァルフに潜入し、会議中に都の各地に“狂った”炎の妖精を発生させ、火つけを行いました。
突如都に発生した豪火に、騎士団も民間も火消しに必死になっている混乱の中、一族の密偵たちは女王の宮殿に潜入し、妖精の女王の眠るとされる間まで肉薄します。
結果として“妖精の守り役”の過半数を犠牲にし、駆け付けたウルヴァドゥールの英雄“花の騎士”の尽力によって、女王の間を守り切ることはできました。が、それに際して宮殿も一部が焼け崩れる被害に遭い、多くの臣民が命を落とすことになってしまいました。
以降、狂焔の一族はアヴァルフ妖精諸王国連邦において最大の「連邦の敵」として認定され、しばらくはその総力をかけて隠れ里の炙り出しと、殲滅が行われることとなりました。その結果、多大な犠牲をだしながらも多くの隠れ里が潰され、タミール山脈以東の一族は大きく数を減らします。それでも完全に殲滅するには至っておらず、それからも折に触れ一族の手と思われる火事が発生しています。
この事件はアヴァルフの民の心に傷として深く刻まれており、今でも狂焔の一族は恐怖の代名詞として、呪いの言葉や子供のしつけなどに使われています。